僕は風丸君が円堂君とおしゃべりしてる姿を見て、胸が痛くなった。風丸君は円堂君のことがまだ好きなんだろう。円堂君の言葉に真っ赤になってて凄く可愛かったな。やっぱり風丸君にとっての一番は円堂君なんだなって実感してしまった。

「……あれ、やだな……泣かないってつもりだったのに……」

頬に温かい涙がこぼれ落ちる。風丸君が円堂君とおしゃべりしてるだけなのに。

最初からそんな関係だったじゃないか。僕は風丸君が円堂君のことが好きだって知ってるし、僕はそれを承知で彼と付き合ってるはずなのに、独占欲だけ強くなっていてそんな自分が嫌になる。

「……部屋に戻ろう………」











「……?あれ、円堂君?僕になんか用だった?」

円堂君が僕の部屋のベッドに腰掛けていた。円堂君は僕を見ると目を輝かせたがすぐにその表情は曇ってしまった。円堂君はベッドから降りると、僕の目尻に指を這わせた。

「目、赤いけど……どうかしたのか…?」

「ふぇっ?き、気のせいじゃないかな?」

あぁなんて今の僕は嘘が下手なんだろう…。グランの時はまだ嘘得意だったんだけどなぁ。

「……風丸となんかあったの、か?」

「……なんにもない…よ」

そうこれは僕の勝手な自分勝手な感情の表れなんだから。風丸君は関係ない。でも、僕の表情は堅く堅く強ばってしまった。円堂君は顔をふせると小さく呟いた。

「…………のに………」

「え、なんて言っ………」

円堂君は僕の手首を強く掴み、強引にキスをしてきた。舌を絡めとられ吸い上げられる感覚に寒気がした。離れようとしても手首を掴まれてるせいでうまくいかなかった。そのままベッドに押し倒され、手首を上でまた掴まれる。唇が離れると僕は呼吸を整えながら円堂君を見た。

「…っ…な、なん……で…」

「俺もヒロトのことが好きだったのに………なんで風丸なんだよ…」

嘘だ。そんなの嘘だ。風丸君の好きな人が僕を好きなんて。そんなの風丸君に知られたら嫌われる。そんなの嫌だ。

「……や、だ……風丸君に…知らせ…ないで……」

「そんなに風丸がいいのかよ…」

円堂君は急に僕のジャージに手をかけると剥ぎ取るように服を脱がした。下に着ていたシャツをまくり胸の突起物に手を這わせた。背筋を駆け巡る感覚に身震いする。
「なっ、やめ…て………気持ち…悪い」

「風丸に言ってもいいのか?」

円堂君は黒い笑みを見せながら、聞いてきた。そんなのいいはずがない。僕が何も言わなくなると満足そうに僕への優しい愛撫を続けた。