約束の場所に来ると女の子が三人いた。いつもファンレターをくれる女の子だった。俺は気持ちを押さえてにこやかな笑顔を彼女らに向ける。

「ごめんね?待たせちゃったかな?」

彼女らはきゃぁっと声をあげて、首を横に振った。一人の女の子が上目遣いにこっちを見てくる。

「それで、何の用ですか?」

「君たちに聞きたいことがあるんだけど……」

「なんですか?」

「えーと、同じチームメイトが誰かのファンに今苛められていて困ってるんだ。

……………で、君たち何か知ってる?」

彼女らの顔が強ばる。確認しなくともわかる。犯人はやはりこいつらだ。俺は笑顔を崩さず、一歩足を踏み出した。彼女らの肩がびくりと震える。彼女の耳元で小さく呟く。

「っああ、あのっ!!!」

「犯人なのは分かってるんだ。俺の大切な人傷つけてただで済むと思うなよ」

顔を離す。さっきと同じ笑顔だけど、彼女らはぶるぶると震えてる。

「それじゃ、これから金輪際ヒロトには近づかないでよ?」