ずっと前から分かってた。
お前と俺は違うんだって。
正反対なんだって。
「そんなことないよ。
僕たちは同じじゃないか」
同じじゃない。
きっと、100人に聞いたら100人がそう答えるだろう。
誰がどう見たってお前がホンモノで
俺がニセモノだ
って。
「それは違うよ。
君はニセモノなんかじゃない。
だって…」
それなら、このルフはどう説明すればいい。
俺に付きまとうこの黒く堕ちたルフは誰からも愛されない。必要とされない。
これじゃあ、本物に成り切れなかった紛い物だ。
誰からも歓迎されない。愛されない。
こんな俺が、お前と同じなわけないだろう。
世界に必要とされ、純粋なルフに愛され、誰からも愛されているお前と…。
「ねぇ、僕の話を聞いて」
嫌だ。
もう何も聞きたくない。
もう何も話したくない。
もう……
「聞かなくていい。話さなくていい。
ただ、一つだけお願いがあるんだ」
『もう、泣かないで』
本当は、ずっと憧れてた。
誰からも愛され
必要とされ
誰もを愛せる
ホンモノになりたかった
ただ、それだけなんだ…
「ねぇ、ジュダル…
本当の紛い物は――――」
きっと…