現実ですよ
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アラジンの言葉を理解する前に、俺は強い力でベッドに押さえつけられ――――
じゃなくて!!
何コレ!?どうなっちゃうの俺ぇ!!
「ちょ……まっ――――」
「どうしたんだい?」
何でこんなに冷静なんだよコイツは!逆に怖ぇよ!!
「何してんだよ……」
「ん?あぁ、ジュダルくんが可愛すぎてつい……。
ゴメン…嫌だった?」
一瞬にしてアラジンの表情が曇り、シュン…とうなだれてしまった。
…コイツ、俺がその顔に弱いことを分かってやがる。わざとだって分かってんのに何だよこの罪悪感は!?
「い…いや、別に嫌ってわけじゃなくて……」
「ほんと!?」
さっきまで曇っていた表情がパッと明るくなる。
今までまじまじと見てなかったが……コイツ顔まで
成長してかわってる。
ヤバい。どうしよ………
不覚にも格好良いと
思ってしまった。
「…続き……シてほしい?」
いつもと違う低い声……。
この声も嫌いじゃないかもしれな――――――
「って…うおぉぅ!?
ゴメンやっぱダメ!無理!!」
「嫌じゃないんでしょ?
それに……
もう遅いよ」
今まで見たこともない
アラジンの妖艶な笑みに、思わず体が強張る。
そんな俺などお構いなしにアラジンは俺の首筋に顔を埋め、強く吸い付く。
「ばっ…やめ…ろ……っ」
「止めないよ?ジュダルくんが泣くまで……ね?」
訳が分からないのと止めてほしいのと、その他色々な感情が入り混じって自分が何をしているのかさえ分からなくなってくる。
体が痺れるような妙な感覚を覚えつつ、俺は意識を
手放してしまった。
――――――――――
―――――――
―――――
―――
「はっ………!!」
急に意識がはっきりし、
俺は跳ねるように体を起こした。
結局俺はどうなったんだろうか……。
そうだ、アラジンは…!?
「あっ!おはよう、ジュダルくん!!」
自分の名前を呼ぶ声に、思わず身構える。
恐る恐る声のした方を見ると―――――――
「どうしたんだい、そんな顔して?怖い夢でも見た?」
いつもの小さいアラジンが心配そうに俺の顔を見ていた。その瞬間、なんとも
言えない安心感に包まれる。夢だったんだ…。
「顔色が悪いよ?熱でもあるのかなぁ……。
って……わぁっ!?」
近づいてきたその小さな体を無意識のうちに力強く抱き締める。
アラジンはよほど驚いたのか、体を硬直させた。
「チビは……チビのままでいろよ…?」
すがるような俺の声に、
アラジンは少し戸惑いつつも俺の背中にゆっくりと腕を回し力を込めた。
「僕は変わったりしないから安心して。ね?」
そう優しく言われ、安堵
するとともに年下に心配されたという恥ずかしさが込み上げてきて、アラジンを抱き締めていた腕を勢いよく離した。
「もう大丈夫かい?」
「ん…わりぃ、大丈夫…」
「そっか」と優しい笑みを浮かべ、アラジンも腕を離す。
だいぶ落ち着いてきたし、そろそろ帰ろうかという時に、アラジンが何かに気がついたように俺を見た。
「あ?どうかしたか?」
「ジュダルくんの首のところ、赤くなってるよ?」
そう指摘され、急いで部屋に備え付けてある鏡で確認する。
「うっわ…本当だ」
場所が場所だけに、夢を思い出してまた気分が悪くなった。
夢で………いいんだよな?
「昨日は窓開けっ放しだったし、虫にでも刺されたんじゃない?」
虫……か。
そうだよな!虫以外にあり得ねぇもんな!
「ったく…刺すならもっと目立たないとこ刺せってんだよ!」
「フフフ……そうだよねぇ。首は目立つからね(ボソッ」
「ん?なんか言ったか?」
「ううん、何も」
なんかボソッと聞こえた気がしたんだけどな…。
ま、いっか。
「そっか。じゃ、またな!」
「うん、またね!」
挨拶を交わし、俺は煌帝国へと急いだ。
何かを企むような笑みを浮かべたアラジンを残して。
「さて……次はどこに付けてあげようかな?」