苦悩、発覚、距離







振り向けば奴がいた……

じゃなくて、




振り向けばジャーファルさんがいた。

どういうことだ!?
ジャーファルさんは今、
アラジンの部屋の中でアラジンと話をしているハズだ。
だが、当の本人はここに
ってか、俺の背後に立っている。

訳が分からない。
今にも頭がパンクしてしまいそうだ。


「ははは……えっと………こんばんは」


「こんばんは。で?何やってるんですか?」


「いや、アラジンの様子をちょっと……」


なんか………
ジャーファルさんちょっと怒ってね?
え?俺、何かしたっけ?


「様子を窺うのに、ドアに耳をつけて盗聴する必要があるんですか?」


「あ、いや。これは……」


マズいことになった。
ジャーファルさん、完全に俺を疑ってるわ。
すっげー冷たい目してるし。ヤバい怖い。今すぐ逃げ出したい……。


「何をしてたのか、詳細はあえて聞かないことにしますが……。アラジンはまだ10歳ですよ?
つまり、あなたが彼に手を出したら犯罪です。
この建物内で犯罪を犯すのだけはやめてください。
分かりましたか?」


「……はい」


俺が返事をするとジャーファルさんは笑って「よろしい」と言って許してくれた。
目は笑ってなかったけど。




俺は直ぐに自室に戻り、ベッドに倒れ込んだ。

結局、アラジンが誰と話していたのかは分からなかったな……。
なんだか嫌な予感しかしないけれど、明日にでもアラジンに詳しい話を聞いてみよう。




そう決意し、俺は意識を手放した



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