街角で女の子とぶつかるとするだろ?普通は運命の出会いだと思うよな。ところがオレの場合はすこしその辺がこんがらがっていて、その子はオレじゃないやつの運命の女の子だったんだ。世の中そんなにロマンチックじゃないってことだよ。でもその女の子とは確かに運命の糸があったのかもしれない。赤くはなかったけどな。オレの運命の女の子はどこに居るんだか。


実はけっこう、責任っていうか、罪悪感みたいなものがあったんだよな、子供心にさ。スクアーロはまひろちゃんのことすげえ好きだったし、まひろちゃんも楽しそうだったし。だからスクアーロを連れて帰ってこいって言われたときはショックだったな。9代目がそれに気づいてたかわかんねえけど、ザンザスをついて来させたのはオレが頼りなかったのかもしれない。そのザンザスは好き放題だしまひろちゃんは相変わらずニコニコしてるし…オレが言うしかないだろ?あのときのスクアーロの顔、忘れられないぜ。

今思うとオレはなんにも悪くないんだよな。あのときは自分が悪役にでもなったような気がしたんだ。イタリアに帰ったスクアーロはまひろちゃんのことを一度も口にしなかったから尚更。それからスクアーロとはそんなに接点もなかったけど、ヴァリアーのあいつの噂を聞くとあの頃とは別人みたいで、もしかしたらまひろちゃんのことなんて忘れてるのかもしれないって思ってた。あんなに仲よかったのに。だけどそのあと見たんだ。ヴァリアー邸で偶然スクアーロの部屋に入ったとき…べつに忍び込んだんじゃないぞ、ちょっとリボーンから逃げてて……挑みかかるわけないだろ!お前じゃあるまいし……あったんだよ、写真が。動物園に4人で行ったときのやつが。ああまだ忘れてないんだってわかったよ。罪悪感はまた顔を出したけど、でもいつかふたりがまた会えたらって。まさか現実になるとは思わなかった。


…だからこないだお前を追いかけてる途中まひろちゃんとぶつかったときは感動したぜ。きっと運命だったんだ。オレじゃなくて、スクアーロとまひろちゃんが。恋のキューピッドなんだってさ、オレ。おい、そんな目で見るなって!オレじゃなくてまひろちゃんが言ったんだぜ。お前のとこの先生だろ。ふたりを引き裂いたオレがふたりを引き合わせたんだから、世の中って面白いよな。

とにかく俺の活躍があってふたりはめでたくハッピーエンド、リング戦も終わったし、これで一件落着……っておい、どこ行くんだよ恭也!………あーあ、つれないやつ。昔のスクアーロみたいだな。よし、暇だしお見舞いに行ってやるか。きっとまひろちゃんもいるだろうし。幸せ分けてもらいにってギャアアアアア

(階段を落ちる音)


101029

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