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×月△日(火) 晴れ
ルッスーリア

1 古典
2 数学
3 世界史
4 英語

欠席者 なし
遅刻者 フランちゃん
早退者 なし

週番のルッスーリアよ。今日は午前授業で早く帰れるからみんなテンションが高かったわ。でもあの子だけは朝からガッチガチに緊張してたわね。しょうがないわ、彼女は恋する乙女。それも初恋だっていうもの。初恋の相手があのスクちゃんなのはちょっとハードルが高い気もするけど、まあ恋に困難はツキモノ、大切なのはハートよ!


今日は珍しくスクちゃんの部活がない日。一緒に帰るまたとないチャンスよ!と言えば「で、でもつき合ってもいないのに、い、一緒に帰るなんて…」と弱気なようす。つき合ってなきゃ一緒に帰っちゃいけないなんて法律ないわよ。無理矢理スクちゃんのクラスにほうり込んだものの、5分後にはしょぼくれて帰ってきたわ。まああの子の性格上そうやすやすと誘えるはずないのはわかっていたけれど、やっと世間話ができるくらいに仲良くなれたんだもの、あとはガンガンアピールするっきゃないじゃない。だいたいスクちゃんもスクちゃんよね、あんな真っ赤になって話しかけられたら普通意識するものなのに、「暑いのかぁ?」なんて鈍感にもほどがあるわ。あの2人の間にあるハードルの高さに眩暈がするけれど、諦めたら駄目よルッスーリア!かわいいあの子の相談役として、私がキューピッドになってあげるのよ!

とは言っても実際に行動しなきゃならないのは彼女自身。3時間目の休み時間もフラフラしながらクラスに帰ってきて、「や、やっぱりわたしには無理だよ…!」って泣きついてきたわ。ここはビシッと叱り付けてやらなきゃとは思ったけれど、私ってあの子の泣き顔にはつくづく弱いのよね。

「しょうがないわね、今日は私と一緒に帰りましょ」
「ごめんね、ルッスちゃん…いつも応援してくれてるのに、わたし…」
「そんな顔しないの。かわいい顔が台なしよん。元気出しなさい、今日は景気づけにパーッとお買い物しましょう」


うん!と笑った彼女はほんとうにかわいくて、ああ、鈍感なスクちゃんにはもったいないくらいだわ。



そんな私の考えを覆したのがついさっきの出来事。週番の仕事をしていた私のもとへ文字通り飛び込んできたあの子は、頬を真っ赤にして興奮ぎみに喋り出したの。「ス、スクアーロくんが、一緒に帰ろうって!ど、どうしよ、どうしようルッスちゃん!」私はビックリしたけれど、すぐに廊下であの子を待っているスクちゃんに気がついたわ。何でもないような顔して、何よ、バッチリ意識してたんじゃないの。「ルッスちゃん、わ、わたし、うわあ、夢みたい、」相変わらず混乱しているあの子を落ち着けて背中を押す。「良かったじゃない!待たせたら悪いわ、行ってらっしゃい」「う、うん!」たたたと駆け出して教室を出る間際、振り返ったあの子の花咲くような笑顔。


「ありがとう!今度、ふたりでお買い物しようね!」


私はあの子の泣き顔に弱いけれど、それ以上に笑顔に弱いのよねぇ。正直スクちゃんにはちょっと妬いちゃうわ。本当は私との買い物よりスクちゃんとデートしなさいって言うところだけれど、今回限りはキューピッドはお休みよん。たまにはいいじゃない、私にとってもあの子はかわいいかわいい親友なんだもの。

さあて、フランちゃんでも誘って帰ろうかしら。



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