デュオデシムに無敵アルテマ級(笑)白魔導師ミンウ様参戦しろおおおおおお届けこの思い祭り
*更新不定期



「フリオニールがまた出かけてくるそうですよ」
「おや、またですか。彼も忙しい身ですね」
「マリアが私も行きたいって拗ねちゃって。ガイに宥められてましたけど。ミンウ様は今回お行きにならないんですか?」
「私は遠慮しておきます。城の仕事がたっぷりと残っていますからね」
「そうですか…残念です。ミンウ様を高画質で見たかったのに」
「ふふっ、それは残念でした。しかし私は彼等と共に戦うより、貴女とこうして話している方が楽しいのですよ」


褐色のしなやかな指がわたしの髪をすり抜ける。新たな戦いが始まろうとしている中、こうしてまた穏やかに、フィンの1日が過ぎてゆくのです。

閉幕(101231)



「今日呼ばれた理由がわかりますか?」


机を一個挟んでわたしに問い掛けるミンウ先生。浮かべた微笑みは、さっき呼び止められたときから1ミリも崩れることなく、それが背中に伝う嫌な汗を倍増させていた。指示されたわけでもないのに椅子に正座しているのはそのためだ。


「わ、わかるような気がしますが一応教えていただけますか」
「では教えます。前回のテストの結果ですが貴女のものがあまりにも酷く、朝の会議でマティウス先生から厳しく注意するように言われました」
「…はい…」
「この調子では留年ですよ」
「はい…」
「勉強しなさい」
「はい…」


返事をするたび沈んでゆくわたしを見、ミンウ先生はほうとため息をついた。


「…まあ、貴女1人では限界があるでしょうし…私が明日から時間をとって補習をしましょう」
「ほ、ほんとですか!?」


ミンウ先生は頷き、そして微笑んだ。ま、眩しい…眩しいです先生…!海の如く広い先生の心に涙ぐんでいる私に、先生は1ミリも表情を変えず言った。


「もう二度と笑えなくなるかも知れませんが、頑張りましょうね」


…ああ…涙で見えないです先生……


アルカイックスマイル(101218)



死後の世界というものは、たとえば楽園であったりまたは地獄であったりと人により描く形は様々だが、いざ来てみると現世とそう変わりがないのだ。
生きているうち魔導士として数多の命を奪ってきた自分が楽園に行けるとは思っていなかったが、ここでも私は杖を振り続けねばならないらしい。死とは苦しみから解放されることではなかったのか。人々を救うためにすべてを投げ打ち命を懸けたというのに、どうしてここでも人々が苦しんでいるではないか。こうして我々が再びつどい、戦っていると向こう側の誰が想像するだろう。泣き崩れ私の名を呼んだ彼女も、いまだ戦いの最中にいるのか。


「お前も難儀だな。死んでも未練が断ち切れんとは」


鎧の手入れをしながらリチャードがからかうように言った。それは貴方もだろうと返せば少し瞼を伏せ、独特の形をした兜を撫でる。竜を象ったそれは竜騎士の誇りであると、昔どこかで聞いたことがある。誰かに思いを馳せ押し黙るヨーゼフの隣で、スコット王子が遠い空を見上げた。


「それだから、私たちは戦い続けているのでしょうね」


いつか彼女らを迎えるとき、せめてここが安らかであるように。


楽園はまだ遠く(101217)



ミンウさんって不思議な格好してるよね。口まで覆ってるのにお腹は盛大に出してるし…。あの格好似合うのはミンウさんだけだろうなあ。美人だしかっこいいし優しいし。話がちょっとズレたけど、つまり何が謂いたいのかと言えばあのファッションがどうにも気になるんです。


「ということで教えてください」
「教えてと言われても…」
「そのファッションはミンウさんのアイデアですか?ローブは特注なんですか?お腹冷えませんか?腹筋触っていいですか?」
「これはフィンの伝統的な王宮魔導士の衣装です。なのでその魔導士専用に作られています。体質と慣れもあって体調にはほとんど支障ありません。それと、」


覚悟がおありですか?と微笑んだミンウさんがあまりにも美しすぎて、鳥肌の立ったわたしは「冗談です!すいませんでした!」と叫んでその場を逃げ出した。


禁断(101209)



燦燦と降り注ぐ太陽の下、木陰に隠れて彼女は頭を揺らしていた。こくりこくりと、落ちそうで落ちないバランスが何とも危うい。通り掛かったこちらが眉を寄せたくなるような光景で、しかし彼女の顔は至極穏やかである。どんな夢を見ているのだろうか。隣に腰を下ろせば待ち兼ねたかのように肩を寄せもたれ掛かってくるのがなんとも可笑しい。夢さえも見透かせそうな距離で瞼を下ろした私には、もちろん彼女の夢の中などわかるはずもないのだけれど。

安息の午後(101126)



「ミンウさん、FF3の白魔導師のローブにはネコミミがついているんですよ」
「ほう」
「FF6ではネコミミフードを付けるとギルが2倍貰えちゃうんです!」
「それはすごい」


「ところでここにネコミミがあります」
「付けませんよ」

ネコミミンウさま(101121)



「ミンウ様は醤油派ですか?それともソース派?」


突然廊下の影から現れた彼女はそんなことを言い出した。何の話だかさっぱりわからない。彼女の話には主語と脈絡というものがないのだ。


「何のことかな」
「目玉焼きにかける調味料です!」


彼女は眉を寄せ断言した。まるで聞いた私がおかしいとでもいうように。理不尽極まりない。そのうえ恐ろしくどうでもいい話だ。誰だ彼女に目玉焼きの話を振った人間は。


「……私は…」
「わたしは断然マヨネーズ派です!これってなんで少数派なんでしょうね?さっきフリオニールに『白いものに白い調味料をかける気がしれない』って言われたんですよ!ムカつくあの野薔薇野郎!ちょっと蹴り入れてきますね!さようなら!」


言いたいことだけ喋り尽くすと彼女は走り去っていった。実は私もマヨネーズ派だということを伝え損ねてしまったが、まあ改めて伝える必要もないだろう。
廊下の角を曲がるとマリアに会った。「目玉焼きに何をかける?」と聞けば「疲れてるんですか?」と言われた。そうかもしれない。


わたしがつかれている(101121)

「ミンウさまー!」

ててて、と短い足を懸命に動かし私のローブを捕まえたのは、私の拳にも満たない小さな手。


「お帰りなさい!ミンウさま!」
「ただいま。今日は何をしていたのかな」
「あのね、今日はですね、」


ヒルダさまとお花をつんで、そしたらスコットさまが遊びにきて、みんなでおいしいお菓子をたべました。とってもおいしかったんですよ!ニコニコしながら忙しそうに動く唇がふと止まり、ミンウさまはどうでしたかと尋ねる。腰をかがめて低い目線を合わせた。


「仕事はだいぶ片付いたし、明日は休めそうだ」
「わ、じゃあ、」
「明日は久しぶりに一緒に遊べるよ。もちろん勉強もするが」
「やったあ!」


へにゃりと崩れるこのとっておきの笑顔が、いつまでも私に向けられていますように。頭を撫でるとくすぐったそうに笑った。


ロリコンミンウさま再臨(101017)



少し肌寒くなってきたこの頃。焚火から離れた木の根にもたれ書物を読んでいると、聞き慣れた声が耳に届いた。


「あっこらマリア!まだ生だろそれは」
「もう大丈夫よ、最初に入れておいたやつだもの…っ固…」
「ほら見ろ」
「………マリア」
「あ、ガイ。こっちが焼けてる方だったのね」
「まったく、マリアはせっかちだな」
「フリオニールしつこい!いいわ、これはガイと半分こして食べるから。フリオニールはそっちの生焼け食べてなさいよ」
「自分が開けたくせに!」


楽しげな笑い声とともに漂ってくる香ばしい匂い。何かを焼いているようだ。この匂いは…


「はい、ミンウ。これ」
「…焼き芋、か」


みんなで焼いてたの、と彼女が指さした先には、私の方へ手を振るフリオニール達の姿。柔らかい笑顔。どれだけの逆境に身を置かれようと笑うことのできる強さが、きっとこれからも彼らを導いてくれるだろう。差し出された焼き芋を受け取り一口かじればまだ硬かった。
まったく。世話係を終える日は、まだ来そうにない。


秋の日(101116)



泥水をすすって生きていくのだと思っていた。どこで戦火が上がろうと、すべてを失ったわたしには興味がなかった。怖いとか、つらいとか、そんな感情すら火に焼かれ灰となったのだろう。
差し延べられた手は褐色、真っ白なローブに映えてうつくしかった。口を覆っている布のせいで表情は見えなかったけれど、その目はやさしく穏やかな色を抱いていた。いつか遠い日に見た海を思い出した。

「おいで」

ポチャンと 雫。燃え尽きた灰は砂利となり、寄せた波は涙のいろをしていた。


満たされてゆく(101113)



「ミンウさんは先のことが見えるって本当ですか?」
「見える…まあ、そうですね」
「じゃあ未来のわたしとかも見えちゃうんですか!?」
「まあ、………………」
「えっなんで黙るんですか!なんか怖い」

「…ふふっ 楽しみですね」

お城で(101113)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -