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『―――by,Takeomi.』

「さすがだな」

流暢な英語を披露して座った私。しかし、空気なので誰一人何の反応も無しに先生から促され席へ着く。淡々と進んで授業は終わった。終わった後の空気もずっとお通夜の様に重く淀んでいる。席はグラウンド側の一番後ろの席だが、皆チラチラとこちらを見てはヒソヒソと会話を行う。まぁ、ぶっちゃけた話。ヒソヒソ話された所で私の耳は半径10q以内なら誰の声だろうとも簡単に拾える為、クラス内の声など普通に聞こえる訳で…身に覚えのない事で生徒全体から無視をされるのはいけ好かない訳だが、別にそんな事で怒ってしまうほど餓鬼でもないのでここはいつも通り

『五月蝿い。キ エ ロ』

「「!?」」

睨みつけるのと低くドスの効いた声で不機嫌をアピールすれば、クラスのほとんどが次の授業までこのクラスには帰って来なくなる。怒らないけれど気分が良くないのは事実。多人数じゃないと何も出来ない餓鬼共と違って私は一定の年齢まで、1人で全てを行って来た経験者だ。寄ってたかって来られてもどうやっても対処が出来る。それにしても…

『めんどくせーなぁ…』

周りに聞こえる様にではなく自然に溜息と共に出たその言葉は静まり返った教室に溶けて無くなった

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