09

朝の出来事で更に私は皆から敵視される様になったが、睨まれるだけでそれ以上な事は一向にされなかった。風の噂もといジャッカルからのメールで、丸井ブン太は全治1ヶ月の骨折との事。もちろん骨折したのは鼻だ。やはりバキ と言う音の元は鼻が折れる音だった様だ。気の毒に…と思う反面、女子の喧嘩に第三者が入って来た方が悪いと思うし、私を見る度に鼻が痛み出してあの光景が浮かんでくれればいい。私だってテニスキャラを痛め、原作に影響などさせたくないからね。しかし、今は理科の実験の授業を行う為に実験室へ居るが…上田の周りに集まって実験の準備してるけれど、本当にそれで実験なんか出来るのかねぇ。まぁ、私には関係ないけれどね。この実験は評価にすごく影響するって池田先生言っていたから、可愛そうに…授業中まで何かしでかすほど私は愚かじゃないよ

「槇火紫さん、一緒に実験してもいいかな?」

『別に構わないよ』

「そう、ありがとう」

幸村精市が私の居る机へ来て実験を始めた。その瞬間騒がしかった上田の周辺が一気に静まり返った。このクラスのどっち付かずである幸村精市。中立とも言い難い彼の立ち位置に私も判断を迷っている。これがもう1人の多分私を嫌って居ない人だ。やはり神の子と言う2つ名がある人は違うのだろう、ファンブックにも誰かの陰口が苦手な事として書いてあったしね。しかし、上田がウザい。1人が淋しいウサギの様な雰囲気で瞳は鬼の様な睨みをこちらに(主に私へ)向けて来る。変な所で器用だぞアレ

『彼女さんに睨まれるんだけど、どうにかしてくれない?彼氏でしょ』

「半年前に別れたよ。あのブスとは。寧ろ俺、あのブス嫌い。それにさ神の子って呼ばれているこの俺が何であのブスと付き合っている方がオカシイでしょ??」

『そ、そうなんだ…(ブスって3回も言ったぞ)』

そう言った幸村精市の表情は豪く清々しいまでの笑顔だった。この発言からして、幸村精市は逆ハー補修から抜け出しているのだろうか…。ますます謎が謎を呼ぶ事態になりつつある様な気がするが、所詮私には関係ない事だ。時が立てばさっさとこの世界から抜け出して私は私の世界に帰るだけだ。そのまま授業は何も起こらないまま終わって行った


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