08

「!?」

『朝からスプラッターなプレゼントありがとう。でも、あの机の持ち主私じゃなかったんだよね〜、だけど私の優雅で愉しい朝の時間帯を邪魔した罰は受けさせたいと私の機嫌が収まらないんだよね』

「何しやがる!!」

『男の人の声ってそんなに高くないんだよ?井口真凛愛(まりあ)さん。男装する気無いでしょ?この名前。“わたし!女の子です!!”って言っている様なもんだよ?名前』

「っ!!何言ってやがる、俺は男っ!?ひゃあ?!」

『悲鳴まで女とか…男装する気あんの?アンタ』

「な、何をあの水の中に入れた!?」

『なんだろうね?それより、全身水浸しで着替えるの大変でしょ?私が手伝ってあげるよ』

「や、やめろ!」

汚いゴミ水を全身に被った井口は服の中を這い回る違和感にようやく気付いた様だ。ゴミ水が流れ落ちるのと同時に制服の下へ潜り込んだ彼等は、肌を直接這い回り井口を女へと戻させるには十分だった。異物が全身を這い回る度に、井口の口からは甲高い女性特有の声が漏れ始め顔まで火照り始めた。こう言うのをどうやら“虫姦(ちゅうかん)”と言うらしい。朝っぱらからはちょっと中学生には刺激が強すぎるかしら?けれど化けの皮を剥ぐには必要な事よね、それに今頃の中学生は性成熟が早いからいいか。性教育にもなるだろうしね

『艶っぽい声出して…服の下はどうなっているのかしらね?愉しみだわ』

「い、いやぁっ!!」

無理矢理ジャケットを脱がせ、シャツもビリビリに引き裂いてやれば胸元を抑える為に、巻いてある晒が見えた。席が一番後ろだから生徒達は真正面から井口の体が見えている筈だ。無意識に口角が上がる。命を粗末にした井口には軽過ぎる罰だけど、それはきっと後々彼女に降り掛かるだろうから私はこれ以上はしないよ。烏はね仲間思いなんだよ?井口真凛愛。アンタが殺しちゃった烏…あぁ、これ以上は言わないであげよう。時間無くなっちゃうしね。ポケットから取り出して晒と肌の間にカッターを入れ切って行けば胸元が露わになった。ビクビクと小刻みに震え小さく喘ぐ井口は何の抵抗も出来なくなっていた。一生に一度の性体験がまさか二次元でしか起こらない行為何て思いもしなかっただろう。体中を百足ゴキブリ芋虫蜘蛛蛞蝓ダンゴ虫etc…一般人からすれば害虫呼ばわりの虫がほとんどだけど呪祖を使う時、お世話になる為彼等を飼っている。彼等は普通じゃないからね、たくさん喘いで見せてよ私に、アンタが淫乱雌猫だと言う所をさぁ…

「真凛愛!!」

「ぶっ…ぁん!ブン太ぁ…」

『なーんだ。もう来ちゃったのか…お楽しみはこれからだったのにぃー』

「槇火紫!!てめぇ!!」

バキッ

「もう一発!」

『一発は殴らせてあげるって決めているの。特にテニス部にはね…』

「何言って…!?」

『まだ、分からない?井口真凛愛と私の喧嘩に第三者のアンタが手を出した…言い方が悪いかしら?無抵抗の人間をいきなり殴ったのよ?王者立海大テニス部が!!いいバッシングの材料よね〜学校はどう判断する?家族はどう思う?周りの人達はどう目で立海大テニス部を評価する??さぁ、空っぽの脳ミソで考えて』

「っ!」

『考えられない?それなら、今を考えて』

「あ゛っ、ぐ!」

D組の教室にキチガイの井口の友達である丸井ブン太がやって来た。クラスの状態を見て真っ直ぐこちらへ向かって来る、井口の元へ駆け寄り私の真正面に立った丸井は私の頬を殴った。いつもなら避ける私が殴られた事でいい気になった丸井は、もう1発殴り掛かったが。それを簡単に受け止める。男であっても所詮プロの殴り方とは程遠い、手馴れて居ればかわす事もこうやって止める事も可能だ。1発目は後々色々と使えるだろうから殴られただけで、2発目は喰らわない、誰だって痛いのは嫌いだからね。片手で受け止めた右手を捩じり痛みで緩んだ隙に転ばせ、床に顔面衝突させた。捩じった右腕には力を込めたまま丸井の上に乗り体重を掛け耳に囁いた

『このまま腕を折られるか許しを乞うかどちらかを選びなさい』

「…」

『時間はあまりあげられないわよ』

「悪かった…」

『ハァ?』

「も、申し訳ありませんでした」

心の籠っていない謝罪を聞いて立ち上がった私はD組から去ろうとすれば、性懲りも無い丸井はまた殴り掛かって来た。真正の莫迦なのコイツ。殴り掛かって来た腕を持ち、相手の向かって来る速度を利用して少々の力で引っ張り後頭部に手を添えて、丸井の顔面を黒板に押し付ける。バキ とか何か折れる様な音が聞こえたが気にしない。本気で黒板に押し付けて居たらきっと音はグチャ とか言うグロテスクな音だったに違いない。原作始まっていないのに主要中学校のレギュラー部員死亡とか、どんな方向に転がるか分からなくなるしね。鼻が折れたと思われる丸井はそれと同時に気絶した様子で、私は周り全体に聞こえる様に呟く

『次は無いから』



.

- 10 -



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -