06

切原赤也から放された私は報告に行く前に夕食の買い物を済ませる為、近所のスーパーによっていた。少々気が早いが体を温める為にもお鍋に今晩はしようかと思って居れば耳に着けている小型の受話器からALICEの声が入った。メールだよ! と言う言葉で私は懐からスマフォを取り出して中身を確認する


[23355131353151231:34:25243424]



『げ、マジで…』

報告の時間指定が来た。しかも終わる頃には日付を跨いでいる事間違いない時間帯である。あの方は何考えてそんな時間に…って、あーそうだよね、きっとそうだ。そのまま泊まって行けとかそんな理由だろう。溺愛で依存されている事は分かっているが、私も仕事を受けてこの学校に転入している身だ。あの方もそれは十分承知している筈だが、最近構っていなかったのが反動で来ているのかもしれないなぁ。これはどうやって良い訳をして帰るかを今から考えておかねばならないか…

『とりあえず返信しとこう』


[43535513113442431424451]



同じ様に暗号文で送り返せばそれ以降メールは来なかった。まぁ、これはあの方との連絡の取り合い用なので当たり前なのだが…いつもならもっとしつこくメールが届く為、何だが不気味である。気にすればするほど何だが背筋が寒くなるのでとりあえずは気にしない事にした

***

秋の夜空を駆け抜ける。屋根伝いに飛び移りながら東京を目指す。身体能力向上だけを使用して渡って行く。体を鍛える目的もあってこの移動を、行っているが都市部は人目につかない様に行動するのが結構疲れたりもする。眠らない都市東京とは正しくっと言った所だろうか、裏通りであっても人はそこかしこにうじゃうじゃいる。まるで蛆虫の様に…って例えが悪いか。そうこうしている間に目的の場所に到着した。…よし5分前行動もちゃんと守れているから問題ないだろう。天井裏からあの方の寝室へと侵入する。無駄に広い寝室を覗くとベッドに腰掛けノンアルコールシャンパンを飲みながらiPadを扱っていらした。何をされていてもホント無駄に優雅でいらっしゃる…

『モナルカ様』

「…斬奈か。時間ちょうどだな」

『はい。それで、報告を…』

「報告はメールで受けているので十分だ。こっちに来い斬奈」

『今日は泊まる事は出来ません。まだ調査しきれていない部分が…ちょ、まっ!?』

「俺様のお願いを聞けないのか?」

無駄に煌びやかなベッドの影に移動し跪いて、只今の雇い主のご子息に声を掛ける。ご子息は様々な所から狙われている為、本名で呼ぶ事は一切しない。仕事上の話をする時は絶対のルールだ。驚く事も無く、モルカナ様は声のトーンが上がった。どうやら機嫌が上がった様子だ。彼の隣に居る幼馴染から家で料理をしている最中にとても機嫌が悪い、と言う不安を煽る様なメールが届いた時は大丈夫かと思ったがどうやら問題はないなと判断して報告しようとするが、やはり俺様な不機嫌モルカナ様はそれだけでは機嫌が直る訳ではなかった様だ。ベッドの影から出されて上に放り投げられベッドの上にダイブする。人の上に立つモルカナ様は、気を許した存在以外には甘える事が出来ない。いつもの射抜く様な鋭い眼差しを潜ませた彼の瞳は不安が渦巻いていた。この瞳に弱い私は優しく抱き寄せる以外の選択肢はないのだ


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