05

私と弦一郎の試合は白熱して授業終了のチャイムが鳴るまで終らなかった。時間の都合上3ポイント取った方が勝ちだったが、やはり互いに意地があるので体力の続く限りしていれば、結局40分延々行う事になっていた。その戦いは後世まで語り継げられる事となるとは斬奈は知らない

『(いやはや、年齢はあまり取りたくないねぇ)』

「…ぃ」

『(今日も別段莫迦な嫌がらせもなく、暇な1日だったけれども…午後の授業で今までの鬱憤が発散されたからまぁ、良しとしとこうか!)』

「お…ぃ!」

『(帰る前にさっさと報告でもしとこうかな。今日見たいテレビもある事だし)』

「おい!!」

『(あ、晩御飯作るの私が担当だったじゃん。やばいなぁ…忘れていたとか言い訳にもならないよ。とりあえずここからあそこまでなら…)』

「おい!人が話し掛けてんの無視すんなよ!!」

『あ゛ぁ゛?人様のいい気分を台無しにする為に話し掛けたなら、それ相応の覚悟を持っているんだろうなぁ…』

「っ!」

下駄箱からこの校門まで切原赤也が私に声を掛けて居たのは知っている。9割は弦一郎とのテニスの余韻を楽しみたかったので、ずっとスルーしてあげていたが相手が殴り掛かって来た為、止めにした。学校ではテニス部は天下だが、校門の外では私の天下だ。学校以外の場所で私は一般人から愛されている。彼女達が“キャラ愛され”なら私は“一般人(モブキャラ)愛され主”だ。殴り掛かって来た 未遂でもいい。一般人から愛されている私と一般人から嫌われている彼等、校門の外で私にそんな事すればどうなるかまだこの莫迦は学習しない様だ

「何やっているんだ!!」

「!け、警察?!」

「そこの少年です!!槇火紫さんに殴り掛かったのは!」

「早く捕まえて下さい!槇火紫さん大丈夫??」

『ありがとうございます。助かりました。しつこくて…』

「良かったわ、槇火紫さんに何も無くって…」

「全く、最近の立海生徒は最低な中学生しかいないわね…」

「君、署で事情聞かせてもらうよ」

「ちょ、俺!!」

下校時間になると私にアイを向けて下さる方々は、私が無事に帰り着くまで立海生徒達の動きを監視して下さっている。特に前も騒動が起こった校門前には沢山の皆さんが私の無事を確認しているのを知っている。だから と言うのもある。残り1割はこの光景を見たかったとか言ってみたりしてもいいかな。もっと抵抗するかと思ったのだが、やはり切原もそこまで莫迦じゃないと言う事か。相手が警察だから大人しくパトカーに乗ったのか…



『ツマラナイ。私に対しての恨みってそれだけか、案外テニス部って甲斐性無しの集まりか』



ボソっと言ったその言葉は隠れてコソコソ探っている奴に投げつける。気配も殺気も呼吸音も消せないド素人の分際でこの私から情報を奪おうなんて何回死んでも手に入れる事なんて出来ないよ


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