※Twitterのお題診断が元ネタです↓
東京V・持田さんにオススメのキス題。
シチュ:思い出の場所、表情:「赤面」、ポイント:「服を脱がしながら」、「自分からしようと思ったら奪われた」です。 http://shindanmaker.com/19329



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「ねえ、シロさん覚えてる?はじめて俺とシロさんが出会った時のこと」

持田は猫みたいにして、城西にもたれながら呟いた。

「練習グラウンドで、だったか?」

そんな持田の背をさすりながら、城西は当時のことを思い出す。最初からふてぶてしい奴だったが、どうしてか城西にはよく懐いて、いつも後ろを追っていた。敬愛が情愛に変わるのに時間はさほどかからなかった。

最初に唇を重ねたのは持田が東京Vに加入した年の夏の暑い日だった。ロッカールームでたまたま二人きりになった時、持田からキスをせがんだ。あの時はただ触れ合うだけのものだったが、暑さも手伝ってか、やけに身体の芯が熱く火照ったのをよく覚えている。

「……シロさんったらあ」

城西の前では持田は王様どころか我が儘なお姫様だ。少し構わないだけでぐずる。拗ねる。喚く。だが、そういった持田の一面を知るのは自分だけなのだ、という征服感が城西の中を充たしているのもまた事実だ。

「セックスしたい」

単刀直入に持田が切り出す。そして、有無を言わさず、城西の着ていたTシャツをめくり上げて、鍛え上げられた腹筋に唇を落とした。

「おまえっていつも、なあ」

城西は呆れ返りつつも、持田の欲に付き合う。こいつの身体を知った後じゃ、どんな女も抱けやしない。ピッチの上で毅然と振る舞う王が「シロさん、シロさん」と艶めいた声色で鳴き、淫らに腰を振る。極上のセックスだ。

「少しは順序ってものをな」

城西が穿いていたジーンズのボタンフライを外しにかかっていた持田の顔を両手で掴む。持田はきょとんとした表情を浮かべ、城西を見遣った。そのまま、城西は持田を引っ張りあげるように抱き寄せ、強引に唇を重ねた。舌と舌、熱と熱とが密に絡み合う。歯の裏を舐めてやったら、ふふっと持田は目を細めた。

「シロさんは段取り大事にするよね」

長い口淫の後に息を上げながら、持田が笑う。持田は性欲を充たすことに重点を置くのか、時には襲いかかるように城西の下腹部を攻める。色気もシチュエーションもあったもんじゃない。

「おまえのはストレートすぎるんだよ。サッカーと変わりやしない」

それを聞いた持田は少しの間、何か思案し、緩やかに口角を上げた。それから、今度は持田から唇を重ねた。触れるだけのキス。まるで、あの時のロッカールームでのくちづけの様だった。

「シロさん、顔真っ赤」

再び、持田が笑う。そうか。俺は俺が思ってたよりこいつに惚れてたんだな。城西は安堵の溜息をつくと、持田を強く抱いた。


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