※ギャルソン椿と客持田
カフェで思いついたネタ
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椿大介は震えていた。今日はバイト初出勤、当日。
接客業になんとなく興味があってのことだったが、カフェのバイトなのだ。
面接した店長は35歳には見えない若作りのお洒落な人だったが、「おまえのキャラがおもしろいから」という理由で一発採用になってしまった。あの日も緊張でがくがく震えていたのに。
「ううっ、やっぱ似合ってない……」
少しダボついたギャルソン服に身を包んだ椿は、鏡の中の自分に向かって溜息をつく。
「椿、今日が初日だろ?シャキッとしろ」
村越さんとか言ったか、この店のホールチーフが椿の肩を叩く。
「とりあえず、あのお客さんからオーダー聞いてきて」
村越さんが指さす先には短髪の椿よりは年上に見える、若い男。頑張らなきゃ、と自らに言い聞かせながら、テラス席に一人佇む男に向かう。……が、右足と右手が同時に動く。極度に緊張しているせいだ。
「お、おっ、お客さまっ!ごごご注文はお決まりでしょうかっ!」
上擦った声をあげてしまった椿をちらりと見て、男はぷっと吹き出した。
「かわいいね。君、新人?」
「ウス、……じゃなかった、はい」
男は少しの間考え込んだ後、こう答えた。
「スマイルで」
なんだそりゃ、ここはマクドナルドじゃないぞと思いつつも、椿は男に笑いかけてみた。口角は引き攣っていたが。
「うわ、まじでやってくれたんだ。ウケる」
最初から厄介な客に当たってしまった。早くこの場を去ってしまいたい。椿は逃げ出したい気持ちでいっぱいで泣きそうになった。
「あの、ご注文はまだお決まりでは……」
「今、決めた」
「何にいたしましょうか?」
「君」
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あとで携帯番号かメアドを書いた紙を無理矢理押し付けられます>椿
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