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君と幸せ


(うん年後の幸村と沙耶)


幸村「沙耶、音がしないけど……何か面白いものでも出てきた?」

沙耶「い、いや! 別に!」

幸村「今何を隠したんだい。…顔、赤いけど?」

沙耶「動いたからだろ…。いいからほら、向こうの片付けやってきてよ」

幸村「もう終わった」

沙耶「…んじゃ次の片付け」

幸村「の前にそれを見せてもらおうかな」

沙耶「あ!!」

幸村「…これ、俺の日記じゃないか。クローゼットから出てきたの?」

沙耶「そうだよ。捨てんなよ」

幸村「この年は…たしか中三、だから俺が入院してた頃の」

沙耶「つまりあたしと会った頃ね」

幸村「…なんとなく思い出した。読む前に呼べよ」

沙耶「そしたら読ませてくれないだろ」

幸村「当然。沙耶が俺に何やったか覚えてる?」

沙耶「うるさい! そんなことより掃除しろって!」

幸村「休憩休憩。思い出に浸るのも掃除の醍醐味だよ」

沙耶「引っ張るな!」

幸村「どこまで読んだ? あ、これ懐かしい。沙耶にもらった花で作った押し花」

沙耶「…ふ、ふーん」

幸村「顔あか、」

沙耶「うるさい!」

幸村「はいはい。紫陽花の花言葉も知らない人はお静かに」

沙耶「今は知ってるし」

幸村「調べてくれたんだ?」

沙耶「あーあーあー!」

幸村「沙耶って嘘つけないよね。面白いからいいけど」

沙耶「ほっとけ。…なんか落ちてきた」

幸村「あ、ないと思ったらこんなところにこんなところに挟んでたんだ」

沙耶「これ、立海の卒業式のときの?」

幸村「うん。懐かしいなあ」

沙耶「…思い出したら腹立ってきた。あたしと名前で呼ばれて顔出したら、知らない先輩らに囲まれて大変だったんだからな」

幸村「う、苦しい…ギブギブ」

沙耶「みんなもれなく泣いてるし」

幸村「さや、くび…くび、しまってる」

沙耶「あたしの旦那様はとーってもおモテになるようで……あ! ちょっと玄関鳴ってる!名前たち来ちゃったじゃねえか!」

幸村「…はあ、苦しかった。こっちは俺がやるから、沙耶は二人にお茶出してきてくれるかい?」

沙耶「分かった。ごめん、あとよろしく!」

幸村「はいはい。……ふふ、旦那様、かあ」



君と幸せ



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