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仁王とポケモンの話



「そういえば仁王先輩、ポケモン買いました?」

「それ赤也にも聞かれたぜよ」

「赤也は黒買うって言ってたんで、私は白にしました」

「お前さんらはほんまに仲がええのう…。男女間に友情は成り立たんと思っとったんじゃが」

「まあ私たち六人は幼稚園からの付き合いなんで。すでに男も女もないからじゃないですか?」

「深雪ほどの女でもか」

「深雪ほどの女でもです」

「もったいないぜよ。俺ならすぐに落と」

「させるわけねえだろ」

「…プリッ」

「失礼。口がスライディングかましました」

「おっかないのう。で、ポケモンじゃったか?」

「ああ、そういえばそんな話もしてましたね。どうせ買ってないんでしょう?」

「さあな。どうじゃったか」

「仁王先輩もやりましょうよ。この前、柳先輩とWi-Fiで対戦したんですけど、その時の私のパーティが雨パと相性悪くって…」

「待ちんしゃい。…今なんつった?」

「雨パと相性悪くって」

「それも意味が分からんがその前じゃ」

「柳先輩とWi-Fiで」

「…参謀もゲームするんか」

「赤也が幸弘…友だちに勝てなくて悔しいって騒いでたら調べてくれたみたいです。で、自分もハマったと」

「意外じゃ…」

「でもポケモンも廃人レベルになると確率と計算の世界ですからね。種族値、個体値、努力値はもちろん、被ダメ計算とか同じポケモンでも型が変わると全然違ったりしますし、性格と特性とV一致で狙うとなると…」

「もうええ。子供の頃の夢が壊される気がするぜよ」

「おいでませ廃人ロード」

「なんじゃそれ」

「サイクリングロードとか育てやさんの前のことをそう呼んでます。数多のトレーナーがひたすら自転車を漕ぎまくるんです」

「ポケモンがどんなゲームだったか忘れそうじゃ…」

「たまに何も知らなかったあの頃に戻りたいとは思いますね」

「ゲームもほどほどにしときんしゃい」

「はーい」




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