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ハスキーボイスな歌い声


狼によく似た風貌の、厳つい顔した可愛いあいつ。冬色の宝石がきらりと光る。ああ、今日も愛しい我が家の愛犬。




アイスブルーと回る世界




人通りの少ない道をずんずん進む。慣れた散歩道。前を歩く二匹のシベリアン・ハスキーは、時々私の様子を窺うように足を止める。そして自分たちが前に出すぎていないことを確認すると、またてってってっ、と歩き始める、なんとも可愛い奴らだ。

季節は秋。まだマフラーはいらない。夏場は夜にならないと外に出たがらなかった愛犬たちも、ようやく元気を取り戻しつつあった。冬になれば本領発揮。そのもふもふに守られ、寒空の下を嬉しそうに駆け回るのだ。雪の中を駆け回るシベリアン・ハスキーの姿と言ったら…もう溜め息しか出ない。白の中の黒。雪で反射した光が冬色の瞳を明るく照らす様は、さながら宝石のようで…もう溜め息しか出ない。


「早く冬になんないかな」


季節は秋。冬の到来まであと二ケ月。女の子は冷え性に悩むとよく言うが、あいにく私はそんな可愛らしいスペックを持ち合わせていない。血行良し、新陳代謝良しの健康優良児。冬は全力で愛犬たちと遊ぶと決めている。要するに私はこの二匹が大好きなのだ。眉間に皺を寄せているかのような隈取りも愛らしくてたまらない。大好き。

口ずさむのは春を呼ぶ歌、を冬に替えたもの。ふーゆよ来い、はーやく来い、なんでもいいから早く来い。愛犬二匹と飼い主が、首を伸ばしてお待ちかね。ってね。



ハスキーボイスな歌い声

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