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13.10.10---14:09
はずかC〜ので追記から主義主張。


引き込まれる文章っていろいろあるなーってね、思いましてね。

設定が面白いとか、気がついたら一気に読んじゃったとか、何も分からないからこそ続きが、真相が気になるとか、描写、文体、展開、いろいろありますわな。
いろいろあるけど、やっぱり肝心なのは出だしで。ジャンルに浸かっている期間が長くなるほど自分の中で“これ”ってのが確立されてしまって、出だし数行でブラウザバックなんてのが割とざらでして…。それであとから、もう少し先まで読んでみたら面白かったってのもざらで…いやこれちょっと話ずれました。

出だし。プロローグ。その話をしたかったんです。

物語が始まる以前、あるいは経緯の前振り。
はたまた物語が終わった後、思い返すような始まり。

つつおみは完全に前者のパターンです。ゴールのかたちを決めずに書き始めて成り行きに任せるタイプなので、ゴールからスタート地点を見るような書き方ができない。

次に書き方。これもゆるーくあっさーり始めるのがつつおみの書き方。スタート地点が広いようなイメージ。広過ぎて特にこれといった明確なイメージが浮かんでこない。そこからなんとなく歩き始めて、ふと気がついたらずいぶん長い距離を進んじゃったなあと思わせるような文章。…がつつおみ的理想。
入り口が広いから最初で引き返されにくく、でもいつの間にかのめり込んで引き返せないみたいなね、そんなのね。書けたらいいね。

で、逆に。結末を匂わせつつ、開始数行で明確な世界観を叩き付けて来るようなプロローグもあるわけですよ。これすっごく書き手の力量がいると思うんですよね。
ここで漠然とした、かつありきたりな結末が見えちゃうともうそれだけで読む気がなくなる。合わないなと思っても引き返す。文章が臭くなりがちだから、ここで読み手が冷めてしまってもダメ、それ以降も全部作り物臭く見えちゃう。当然、書き手に結末の明確なビジョンがないと矛盾しか生まれない。

これだけを並べるとリスクだらけに見えますね。でもいるんだよなあ、そういうもの全部ねじ伏せていっそ暴力的なまでに強引に、その世界観に引きずり込んじゃうような文章を書く人が。暗がりの中、ろうそくの灯り程度のぼんやりした空気が一瞬にして遊戯王のソリッドビジョンかってレベルの鮮明さに変わるのね。
いったいその結末に至るまでにどういう経緯があったのか。ぽつん、ぽつんとある言葉からある程度は察することができるけど、だからこそ「どうしてそうなったのか」が気になって気になって仕方がなくなる。あるいは今見えている結末のかたちすら、本当はもっと別の姿をしているのかもしれないし、読まなければ分からないぞと挑戦状でも叩き付けられているようでした。ええ。

たった数行で引き込むこの力は正に暴力的。ゆっくりじっくり回る毒のような魅力とは違ってこれだけ効率よく世界観に引きずり込む力、パワーSと呼んでいいじゃないかと思う。

…とまあだらだら書きましたが、要約すると「すげえプロローグの夢小説見つけちゃって興奮してる」って感じです。プロローグしか読んでいないどころかプロローグすら読み終わっていないので、時間ができたらじっくり読みたいと思います。おわり。