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甘いもの


「ねぇー、ねぇー! サスケこれみて! 美味しそうでしょ」
「あ? ……って、これパフェじゃねぇか」
「そう、パフェ! ここのレストラン、そのパフェが美味しいらしいから一緒にいこうよー」
「しるか、俺は甘い物は苦手だ」
「えぇっー」
 学校が午前授業しかなかったため、俺たちは近くのファミレスで飯を食べたあと家でのんびりしている。
 とは言っても、俺はただ本を読みたいだけなのだが、なまえが暇だからと言って俺の部屋に半分無理矢理に上がり込んできたのだ。

 今現在は、俺のベッドでゴロゴロしながら雑誌を見ているだけなのだが。

 雑誌なら、自分の家でも見れるだろうが。
 ......まぁ、一緒にいれる、というのは内心嬉しかったりする。
「じゃあさー、サスケは、なんの甘い物ならいいわけよ」
「はぁ?」
「ほら、和菓子とかなら食べれるじゃん! そんな甘くないし! あとは団子とかー、羊羹とかー」

 甘い物を出来る限り取り上げているなまえを他所に、俺は自分が食べれるものを頭の中で探していた。
 甘いもんか……。

(......あ)

 いい事を思いついたと、俺は口の端を上げた。
 それを見たなまえは、うん? と不思議そうに首を傾げた。
「どうかしたの?」
「んー……おい、なまえ。甘いもんなら、なんでもいいのか?」
「もちのろーん! えっ、何々、なんかあった?」
「ああ……ちょっと来てくれ」
「?」
 ちょいちょいと、手招きすれば、純粋ななまえはクエスチョンマークを浮かべながらも俺にのそのそと近づいた。
 きょとんとしている顔が、愛しいと思ってしまった俺は、自分は随分と変わってしまったものだなと思う。
「で?どうなの?」

 キラキラと目を輝かせ、俺の顔を覗き込む。
「あぁ、俺が好きな甘いもんはー……」


 少し開いたなまえの唇に、俺は自分の唇を重ねた。

 触れるだけのキス。
 唇を離し、俺は答えた。


「お前だよ、なまえ」


(あっ、熟した)


(20170705)
しらどりさん著
お題不使用


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