俺以外に騙されるなよ 「サスケサスケ! ねぇあれ、あれ何!?」 「……」 肩を叩いて振り向くようにしてみたけど、ピクリと反応しただけで振り向かない。ほっぺに刺さるようにスタンバイした人差し指が虚しい。 ちぇっ、つまんないの。そう言って肩から手を下ろす。一回引っ掛かって以来、どんなに期間を空けても引っ掛からなくなった。この負けず嫌いめ。 サスケがこっちに振り向いて、向かい合うようになる。 「くだらねえんだよ」 「いーじゃん。これくらいのお茶目 許しなさいよ」 「…」 はあ、とわざとらしく溜息。いーじゃないか! するとサスケが何かに気付いたように右方向を向いた。なんだろ、なんか面白いことでも? 反射的に同じ方向に顔を向けると、 ちゅう という可愛い音が私のほっぺからした。 「…!?」 「単純だな」 「な、ななっ、な…!」 してやったり、とニヤリと笑う。ほっぺちゅうだと…!? なんで! 何が起こった! いやほっぺちゅうだけども! ぼぼっと顔に火が点り、思い切り俯く。引っ掛かったのが悔しいはずなのに、嬉しいなんて、ずるい! そしてサスケが呟いた。 俺以外に 騙されるなよ が、がんばります…! 頼むぜ お題提供:《確かに恋だった》 『一枚上手な彼のセリフ』 「俺以外に騙されるなよ」 [←] [→] 戻る [感想を届ける!] |