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願う


不自然ではなく、誘えたと思う。

思い返せばもう5年もの付き合いになる恋人が居て、同棲してからは一年半が経っていて、それでも一向に自分の気持ちが衰えることが無いので、むしろやや増加の傾向にあるので、おそらく今後の人生もずっと一緒に居るような気もするし、想像も容易であるので、俺は、彼女に、生涯共に居てくれないかと、伝えたい。所謂、世に言う、プロポーズ。

婚約や結婚のそれとは違うオモチャみたいな指輪なら、とっくの昔にやっている。ほとんど常に左手の薬指にそれを嵌めていてくれた事を鑑みれば、俺の恋人でありたいという気持ちは少なからずある、と思って良いはずだ。しかしそれが、結婚して、姓を同じにして、手続き的な意味でも簡単には解放されない状況をも受け入れる、のと、同義であるとは限らない。つまり俺は少し、怖かった。或いは断られるかもしれないことが。

「それにしても、サスケから“出掛けよう”なんて珍しいよね」
「…良いだろ、たまには」
「うん。もちろん良いよ」

ニコニコと嬉しそうに俺の手を握る彼女は、いや本当に嬉しそうで、これくらいのことで喜ぶのならもう少し頻繁に外出に誘おうと思う。断られなかったら。

ポケットに忍ばせたケースの曲線を、指先で緩くなぞる。彼女も、俺と居たいと思ってくれていますように。そして、



願う
(20100803)
目安箱よりプロポーズしたいサスケ


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