×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

[]      [
慰めたい欲望 1/3


 サスケ君のベッドの上で目が覚める。今回はちゃんと服を着る余裕があった。というかサスケ君がしたいだけして眠ってしまったので、私の方は中途半端に放置されてしまったのだった。私のことを自慰道具か何かだと思っているところがあるので、そういうことはまま有る。

「……」

 むくりと起き上がり、主人が不在のベッドから出る。サスケ君はもうすでに起きて、下の部屋で何かしているようだ。伸びをして、髪を手櫛で直しながら時計を見る。朝八時過ぎ。学校があったなら、遅刻していたところだ。

 昨日はシャワーを浴びる前に事に至ったので、体育の授業で掻いた汗を流せていないままだ。私のクラスは今学期は毎週火、金曜に体育があるので、週末にサスケ君の家へ来ると必ず「先にシャワーを浴びたい」と言うのだけど、聞き入れてもらったことはあまり無い。因みにサスケ君のクラスは月、木だ。
 今からでもシャワーを貸してもらおうと、部屋を出て階段を降りていく。




「勝手に使えよ」
「あ、ありがとう……」

 卵焼きにお味噌汁、それから漬け物とご飯。そんなシンプルな朝食をとっていたサスケ君に、面倒くさそうに許可を頂いた。普通に一人でご飯食べてる……。
 空腹にお腹が鳴らない内にダイニングを退散し、浴室へ向かう。脱衣所に入り、念のため浴室にも誰も居ないことを確認する。それから引き戸を閉めて、服を脱ぐ。昨日は一度家へ帰ってから、自転車でサスケ君の家まで来たのだ。こうして泊まることも多いから、制服で寝るのも避けたいという理由で。二駅分の距離は、まあまああるけど、もう道順も覚えたし何てことない。

 一糸纏わぬ姿になって、浴室の冷たいタイルへ足を差し出す。スライドして折り畳むタイプの戸を閉め、気休め程度の鍵を掛ける。(救助のためか外からも開けられる仕様だ)
 水道の栓を捻り、シャワーヘッドから水を出す。それがお湯になるのを、手で確認しながら待つ。
 サスケ君の家のお風呂を借りるのは、もう何度目か数えてもいない。それくらいに慣れてきた。シャンプーや石鹸、体を洗うためのタオルの置き場所も覚えた。最初のうちは遠慮して使わなかった洗剤類も、サスケ君に「汚いから洗えよ」との一言を頂き、今はちゃんと使わせてもらっている。

「…………ふう……」

 温かいシャワーに、自然と口から吐き出される溜息。備え付けの姿見に写る自分の体。コンプレックスの巨乳と、少しだらしない腹部、それからでっぷりとしたお尻。あんまりまじまじと見たくはないけれど、サスケ君はこの体型が好きらしい。
 先週付けられたキスマークはあらかた消えている。昨晩は、まあ発散したいのが先に立ったようで、特別痛い目にも合わされなかったけれど、気持ちよくもしてもらえなかった。

 髪を洗い、体も綺麗にする。だけれどもやもやと、晴れない欲求が下腹部に留まっている。
 サスケ君が、乱暴に、不躾に出入りする、そこ。硬く、大きく、反り勃つ、ものが。自由に、好き勝手に、蹂躙した。
 わざとだったのかな。私の気持ちいいと思う場所を、攻めておいて。自分が終わるとそのまま置いたのは。私を、今の、こういう気分にさせるために。

「んん……」

 もじもじと、我慢するように膝を合わせる。だけど気付いてしまうと、どうにも抗えない欲求。慰めたい。

 自分の手ですることは、あんまりない。そういう気分になっても、特に何もせずに過ごすことが多かった。
 座椅子に座ったまま、シャワーを浴びっぱなしで。慣れていないから、おそるおそる、そうっと股に手を伸ばす。座椅子が『凹』の字の形をしているから、すごく触りやすいんだけど、もしかしてそういうグッズなのかな。

「……っ、……」

 指が触れたところが、ぬるぬるしている。ああ、やっぱり興奮してるんだ。更に実感してしまって、手を止められない。
 クリトリス、とサスケ君が呼んでいた箇所。おしっこの出る場所だ。そこを軽く指先で撫でると、甘い痺れが腰回りに走る。くりくり、回すように、それから下から上へ撫で上げるように、弄る。ビクビクと体が震えるのは、自分で触っていても抑えられないものなのか。

「はッぅ……ん……ッ」

 気持ちいい。
 シャワーの音に掻き消されていると信じて、ほんの小さく喘ぎ声を口から漏らす。
 サスケ君に触られている時のことを思い出しながら、それを再現するように。クリトリスを弄りながら、片手は胸へやり、乳首をこねる。

 こんなことをしているなんて、サスケ君に見付かったら何と言われるだろう。「淫乱」。「変態」。「いやらしい女」。そしてニヤリと、笑うだろう。「誰がお前をそんなにした?」と。
 ゾクゾク、と、ナカに快感が走る。それを逃がしたくなくて、指を差し込む。ぬるぬるの液体が、さっきよりも溢れている。はっ、はっ、と息が上がっているのに気付いて、羞恥に顔が熱くなる。だけど指は止めない。止められない。

「ふッ、……ぁッ、……!」

 サスケ君の、性器に比べれば、かなり質量が足りない自分の指。それでも満ち足りなさを訴えていたナカは悦んでいるように、ビリビリと快楽信号を発し、ヒクヒクとうごめく。

「どうだ、気持ちいいか? ちゃんと言ってみろ」

 脳内のイメージが、私にそう意地悪を言う。口の中だけで、音にせずにそれに答える。きもちいい。
 サスケ君がするみたいに、乱暴にナカを掻き回す。だけどサスケ君に比べて指が短いから、あまり奥の気持ちいい箇所を的確に刺激できなくて、もどかしい。
 そこで、前にここでサスケ君とした時のことを思い出す。そうだ、あの時はこれを、使った。
 シャワーを手に取り、誤魔化すように体に一巡り湯を浴びせる。それからそれを、そろりと股の間にやり、飛び出る湯でそこを刺激する。

「んッ……! ふ、ぅ……ッ」

 強い刺激に、一瞬声を抑えるのを忘れる。小刻みにシャワーヘッドを前後して、水流の当たる強さを一定にしない。サスケ君にこうされて、イッたことを思い出しながら。

「お前のやらしい姿、映ってるぜ」
「……っ」

 目の前の大きな鏡。私は、サスケ君に見られて、すごくエッチな気持ちになってしまった。今も見られたいって、思ってる。やらしいんだ。サスケ君にそういう風に、されてしまったから。
 恥ずかしいとかみっともないとか、気にしている余裕は無くて。快楽を求めて一心不乱に手を動かす。高まってきている快感を更に押し上げるように、腰を揺らして膣をヒクつかせる。ああ、ああ、キてる、イク……っ!

「ッッ、ハ、ァうッ、……ッ!」

 腰から肩まで、悦びにビクビクと打ち震える。乱れた息遣いが浴室に反響することに気付いて、慌てて抑えた。
 シャワーを股から離し、また身体全体を流す。サスケ君にこのことがばれないように、快感の名残を洗い落とすように。





 []      []

[感想を届ける!]