×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

[]      [
慰めたい欲望 3/3


 サスケ君の手で、ヒクつく入口に陰茎が当てられる。それをまじまじと見られるのが、鏡越しに見えて、羞恥に顔を伏せる。

「……すげー欲しがってる」
「ぅぅ……」

 宛がったまま、入らないようにしながら、抱き締められる。(抱き締めてくれること自体も少ないのに、私の濡れた髪でシャツが濡れるのも憚らずに、だ) それがまた嬉しくて、またヒクついてしまう。恥ずかしい。耳元で、「欲しいのか?」と聞かれて、またヒクつく。勘弁してください……。力なく頷く。

「ちゃんと言葉で言えよ」

 今日はすごく言わされる日だ。たぶん、嬉しいんだろうな。私がサスケ君のせいでやらしい気持ちになって、ひとりでしちゃって、それでもまだ欲しがってるのが。

「……ほしい」
「なにが」
「…………お、……ちんちんが……」
「誰の」
「……サスケ、くんの」
「どこに」
「ぅぅ…………おまん、こに……」

 殺す気だ。私を羞恥で殺す気なんだ。
 一つ言うたびに、入らない程度に押し付けられて、その度にヒクヒクと反応してしまう。いっそ殺してください。
 最後まで言い終わると、サスケ君はうなじに音を立ててキスをした。それからそこを強く吸って、たぶんキスマークを付けた。

「ん。いい子だ」

 私の大好きな低い声で、そう言って。グンッ、と腰を押し込むように動かした。

「あッ……!」

 散々焦らされて、ようやく叶った接合に、キュンと膣が締まる。
 いきなり激しくはせず、まずは最奥まで行こうと、サスケ君は動く。昨晩よりも質量があって、ああサスケ君も興奮してるんだ、と思う。
 自然と息遣いが荒くなって、サスケ君が奥へ来やすいようにとお尻を押し付ける。するとサスケ君のシャツが挟まってしまうから、避けるために持ち続けるのも面倒だし、さっき濡れたから冷たいと、サスケ君も全裸になる。冷えた髪を前にのけ、抱き締めなおされると、さっきよりもサスケ君を近く感じる。背中があったかい。

「んんっ……」
「はぁ……お前んなか、気持ちいい」

 素直に吐露される感想に、また膣がキュンとする。嬉しい。サスケ君が私のカラダで感じてくれるのが、どうしようもなく嬉しい。
 またお尻を突き出すと、サスケ君はフッと笑う。

「いやらしい奴……」
「だって……」
「……なんだよ。言ってみろ」

 促されて、さっき思ったことをそのまま伝える。そしたら、「それがいやらしいって言うんだよ」と返される。違うのに。誰にでも思う淫乱な気持ちじゃなくて、サスケ君にだから思う気持ちなのに。
 たぶん分かっていてわざとそういう言い方をするのだけど、ちょっとだけ寂しい気持ちになる。

 奥へ辿り着き、ぐるり、ぐるりと回すように動かれる。気持ちいい場所を時々掠めるから、その度にビクリとしてしまう。

「俺も、お前が俺の手で気持ちよくなるのは、すげえ嬉しい」
「ァッ、……ンン……ッ」
「他の誰でもない、俺が。お前を乱れさせて、感じさせて。……興奮する」

 サスケ君はつまり、私の訴える『情からの気持ち』ではなく、単純に興奮するから嬉しいのだと主張がしたい。サスケ君は私のことを好きと思うのを否定したがるところがあるから、それなんだろうけど。でも今のを聞く限りは、普通に『好きだ』って言っているように聞こえたよ。だから勝手にそう解釈させてもらうことにした。

「なあ、どうして欲しい」
「んッ、……どう、って……ぁっ」
「今回は特別だ。お前がして欲しいように、してやる」

 昨晩は自分だけが気持ちいいようにしたから、今日は私の希望を聞いてくれるということらしい。それだけ聞けば優しいようにも見えるけど、要は私を恥ずかしがらせたいのだ。私の口から淫乱な要望を出させることが目的。
 分かっていても、待ち望んでいる刺激があるから、促されるままに口を動かす。だけども恥ずかしくて、もごもごと口ごもる。

「んん…………おく……」
「奥?」
「……うん、……はげしく、して……」
「分かった」

 嬉しそうに口の端を上げて、私の腰に手を添える。もっと上体を伏せるようにされ、お尻を後ろに突き出さされる。恥ずかしい姿勢だけど、この方がやり易いんだって分かるから、文句は言えない。

「いくぞ」
「ッ、ア! あンッ! ッッ……!」

 襲い来るあまりの気持ちよさに、思わず声を上げてしまう。慌てて抑えるけれど、快感の波は止まなくて、呼吸の度に喘いでしまう。サスケ君の硬く反り勃ったものが、私のなかで激しく動く。サスケ君も気持ち良さそうに呻くし、なかで脈打つのも分かるから、嬉しくてきゅうきゅうと締め付けてしまう。

「はァ、……ァァ、……イイ……」
「んッ、んんン! はゥ、は、ァゥウッ!」

 引いて、ぶつける。を速く繰り返す。肌のぶつかる音、粘着質な水音。サスケ君の陰嚢(たま)が揺れて当たるのすら気持ちいい。洗面台に突いた手に額を乗せて、声を堪える。膝ががくがくする。

「サス、ケく、ゥゥッ!」
「いきそうか?」

 頷けば、喉で笑う声が聞こえて、そうか、と腰を持つ手に力が入る。更に激しく、ガツンガツンと奥を攻め立てられて、背中が反る。それで頭が上がったから、鏡に写る自分を見てしまう。泣きそうで、必死で、不細工な顔。見たくなくて下を向くけど、見てしまったから赤面する。恥ずかしい。こんな顔、いつも見られてるんだ。

「ゥッ、アッ! イ、ク、イク……ッッ!」

 上り詰めて、ビクビクとカラダが痙攣する。お尻と太ももとお腹に力が入る。サスケ君が奥で止まるから、サスケ君の形に膣が締まる。

「はー……気持ちいい……」
「んッ、……ッ、…………ァッ」
「ククッ、俺が動く度に反応すんの、すげーエロい」
「ぅぅ……しょうがないもん……」

 イくと、からだ全体が嫌に敏感になってしまう。なかでサスケ君が脈打つ度に、私もビクッとしてしまって恥ずかしい。
 お尻を撫で、まだビクつく私の反応を見る。感触を楽しむように揉みしだき、軽く叩いて、また掴む。

「もう少し付き合ってもらうぜ」
「! ァあッ! ヤァぁッ!」

 ついさっきイクまで攻め立てられて気持ちのいい箇所を、同じように突かれる。もうすでに許容量一杯以上の快感に、みっともなく声を上げる。

「だ、めぇ! ダメぇぇッ!」
「駄目かどうかは、俺が決める」
「ヤぁッ、ヤ、ンンンッ!」

 硬くて、太いのが、入口から最奥までを往復するたび、ビリビリと強すぎる快楽が襲う。視界が潤み、ひっ、ひっ、と嗚咽のように呼吸が苦しい。どこかに落ちていくような、でも飛んでいくような感じがして、不安になる。イヤイヤと首を振るけど、サスケ君は嬉しそうにするだけ。

「やだ、やだァ! サスケく、ッやア!」
「ハッ、はは、最高……ッ」

 何も考えられないくらいに快感の刺激が脳を支配してしまって、自分が腰を振っていることにも気付かない。快感から逃れたいのに、求めてしまっている、私の矛盾を見てサスケ君は悦に入る。なかのものが一層大きく膨らむのが分かった。

「ッ、と……そろそろまずいな」
「、ぁ、……」

 突然の喪失感。サスケ君が私のなかから出ていった。
 それで少し意識が正気に戻って、さっきまでの自分の醜態に気が付く。だけどそれに落ち込む暇もなく、サスケ君が私に命じる。

「口。しゃぶれ」

 疲労にぐたりとする私の体を反転させて、しゃがませる。目の前に、今にも破裂しそうなほど怒張したものを差し出される。最早反抗する気力も無く、慣れたようにそれを口に入れる。

「んッ……もっと奥まで咥えろ」
「ん、んん……ッ」
「そう、いい子だ」

 自分の味がするから、本当にこれがさっきまで自分のなかにあったのだなと思う。そんな感慨にふけるのも束の間、グンッと、更に奥へ、と求めるようにそれが動く。

「ンぐ、!」
「ハァ、その顔、いいな……ッ」

 苦しさに、喘ぐのもままならない。私が逃げないようにしっかりと頭を掴んで、腰を動かす。こみ上げる嘔吐感を、ぐっと堪えるように喉に力が入る。眉が寄り、涙が溢れる。そしたら、一際強く押し込まれて、喉の奥で、熱い液体が出された。

「!!」
「う゛ッ、……ぅあ……ッ」

 飲み込まざるを得ない。飲まなきゃ溺れる。口いっぱいに膨らんだサスケ君が、ビクビクと暴れるから、うまく舌が動かせなくて、飲み込むのに苦労する。すると、ようやく少し引いてくれたから、抑えていた咳が出る。

「げほっ、げほっごほっ、……はぁぅ……」
「ハァ……ちゃんと綺麗に舐めろよ」

 そう言われると思っていたので、咳がおさまるとすぐに、まだ時々跳ねるサスケ君を掴んで、舌で掃除していく。根元までは口の中におさまらなかったから、そこから。自分の味は苦手だけど、何度もやらされて、そろそろ慣れてきた。下から上へ、上から下へ。舐めにくい向こう側もちゃんと、自分の味がしなくなるまで綺麗に舐める。

「ん……」
「できたか?」
「うん……終わったよ」

 サスケ君の言葉に頷けば、ご褒美みたいに頭を撫でられる。
 最近、こうやって飴と鞭を上手く使うようになってきたから、私はますますサスケ君に逆らえないし、従ってしまう。困った。

 サスケ君は脱いだパンツだけを拾って穿いて、脱衣所から出る。シャツとズボンは濡れてしまったし、着替えはここに無い。
 私は立てないまま、涙の跡を腕で拭う。息遣いもまだ通常通りには程遠い。

「ったく……お前のせいで朝っぱらから……」
「うう……返す言葉もございません……」
「もう一回、体綺麗に流しとけ」

 それだけ言って、戸を閉めた。
 一人残されて、ふらふらと立ち上がる。何回イったっけ。腰がだるいし足ががくがくする。
 お風呂場に入って、座椅子に腰を降ろすと、しばらく立てそうに無いくらいの疲労感。鏡に映る自分。いやらしい顔。なるほど、これかぁ……。
 シャワーがお湯になるのを待ちながら、またそうっと、股の間に手を伸ばした。



(151221)


 []      []

[感想を届ける!]