やっぱり首輪は赤でしょう!
「壱華殿、壱華殿。
その桃色のものは何でござるか?
甘味でござるか?
某も食べたいでござる。」
「・・・」
なんだろう、この可愛い生き物は。
人の机の前にしゃがんで、頭だけ覗かせやがって。
もりもり桃饅食べてる私を、きらきらおめめで見詰めやがって!
「壱華殿、壱華殿。
無視しないで下され。
構って下され。」
「・・・」
犬か。
お前は犬か。
そうか、そうなのか。
幸村の頭にぴこぴこ揺れる犬耳が見えるのは、幻覚じゃないんだよね?
幸村はワンコだもんね?
「わ、っ、壱華殿?くすぐったいでござる!」
わしゃわしゃと幸村の頭を撫でてみれば、嬉しそうに目を細める幸村。
あれ、なんかブンブン振ってる尻尾まで見えてきた。
「幸村、これ食べた「食べたいでござる!」…だよねー。」
流石、幸村。
甘味に関しての返事は早いわ。
「うん。
じゃああげるから、私とフリスビーで遊んでくれる?」
「なんと!?
甘味を戴くだけでも嬉しいと言うのに、構っても下さるのか!?」
ビカー!!
幸村のおめめが凄い光を放った。
ピ●チュウも吃驚だ。
おめめが潰れそうだったけど気合いで乗り切った私は、幸村の口に桃饅を一個突っ込んで、残りの30個も全部幸村にあげた。
幸村がこれを食べ終わったら、早速フリスビーで遊んであげようっと!
やっぱり首輪は赤でしょう!
(そら幸村!取ってこい!)
(相分かった!)
(ちょっと二人とも!今授業中なんだけど!)
(分かってるよねぇ、幸村?)
(うむ!)
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