ちゅ、ちゅ、ちゅ。





「どーん。」

「ぁ痛!?
ちょ、何!?」

「別にー。」



ただ暇だったから、どついただけです。
あと、何かヘラヘラしてんのがムカついた。



「ちょっと、全部口に出てるよ…」

「マジでか。」



まぁ、口に出たところで大して気にしない。
私の中での佐助なんて、そんなもんだ。



「だから聞こえてるって…
ほんとにもう、うちのお姫様は…」

「壱、姫じゃねぇ。
弐、お前んとこのでもねぇ。
参、溜息吐くな。
四、団子食いたい。」

「何で箇条書き風に言うの!?
あと最後の可笑しくない!?」



可笑しくない可笑しくない。
むしろ、そこメインだよ。
幸村とかから奪ってこいよ。



「旦那から奪ったら後がなぁ…」

「暑苦しい。」



また溜息吐きながら、べたーってのし掛かられた。
って言うか、何かぎゅうぎゅうって腕の中に閉じ込められる。
痛い、痛い。
か弱い女の子に、男の子の腕力キツい。
死ぬ、死ぬ。



「だんご、だんご、だんご、だんご、だ●ご5兄弟ー」

「ちょ、古い!歌のチョイス古い!
然も間違ってるし!」



3兄弟だから!!だの、語呂悪いし!!だの、どうでも良い。
取り敢えず、早く団子奪ってきて欲しいものだ。
あと、いい加減解放してくれ。



「だからさ、旦那から奪うのは勘弁ってね。
代わりにさ…」

「むぐっ」



なんだコイツ。
チューしてきたぞ。
…あ、



「この飴で我慢してよ。ね?」

「えー…食いかけじゃんか…」

「うん、口移しってことを気にしようか?」



そんなもん、どうでも良いわ。
我慢して欲しいなら、せめて口に入れたばっかりのもんにして欲しい。
半分以上溶けてたら、そっちの方が腹立つわ。



「あ、じゃあもう一個あるから!」

「テメー、そのまま寄越しやがれ。」



何でまた口に入れようとしてんだ。
それはお前の口にでなく、私の口に入れるもんだろ。



「残念。」



そういって佐助が食べさせてくれたのは、いちごみるくの飴だった。



ちゅ、ちゅ、ちゅ。



(いちごみるく、好きでしょ?)

(是非もなし!)

(校長のモノマネはヤメて!?)


.

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