「偉いね、マサキくん」

別に偉くなんてない。俺より凄いことをしている奴はたくさんいる。だからどこが偉いんだと思ったが、なまえさんがあまりにも嬉しそうに微笑むから思うだけで口に出さず「はあ、そうですか」と素っ気なく返した。しかしなまえさんはそんな答えに満足したらしい。正直、どうしてなまえさんがここまで嬉しそうにしているのかも分からない。

「きっとヒロトくんや緑川くんが聞いたら喜ぶよ」

出てきた名前に思わず眉を顰める。なまえさんの口からヒロトさん達の名前が出るのは極自然なことだ。だというのにそれが酷く不快だった。なまえさんから俺以外の名前を聞きたくない。苛立ってつい黙ってしまうと、突然と何を思ったのか、えいっ、などと言ってなまえさんは俺の頭を撫で始めた。勢い良く撫でまわしてくるものだから、ぐしゃぐしゃと髪が乱れていく。

「ちょ、ちょっと、なまえさん!」
「あはは、ごめんねー」

そう言いながらなまえさんは俺の頭を撫でるのを止めない。完全に子供扱いされてる。俺はもうそんなことをされて喜ぶような年齢じゃないっていうのに。いや、確かになまえさんから見れば俺はまだまだ子供なんだろう。ヒロトさん達とは、違う。だからこうやって俺の気も知らないで頭なんか撫でるんだ。

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