「痛い」

指にずきりとした痛みが走る。何を思ったのか賈充は私の指に歯を立てた。噛みついている。寝ぼけて私の指が豪華な料理にでも思えたのかと思ったが目を見る限り正常だ。寝ぼけているようには到底見えない。

「痛いってば」
「……もっと痛め。俺のことを、その痛みをもって感じろ」

今度は首筋に噛みつかれる。ずきり。こういった痛みが快楽に代わることもあるらしいが私にはそのような趣味はない。そこでふと、こいつ機嫌が悪いな、と理解した。そういえばかなり前にも同じことがあった。何を思ったかその時も賈充は私の足に噛みついた。何故噛みつくのか。何故私なのか。聞いてはみたがはぐらかされるばかりで答えてはくれなかった。つまり今回もそういうことだ。私は賈充が満足するまでこの行為に耐えねばならない。私がそうしてこの状況について理解していると、今度はより一層強く同じ場所を噛みつかれた。ねえ、だから、痛いってば。

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