私は、数年ぶりにザックスと再会した。
















この、ライフストリームの中で。








『かわらないもの』






「ゴメン!ほんとーにゴメン!!」



「イヤ」




本当は怒ったりなんてしてないんだけど、わざと拗ねたフリ。







だってね?





5年間待っててその間、私は








わがままも言うこと、甘えること、出来なかったから


だから





その分のツケ、精算してもらおうかなって







今まで我慢してた分のわがまま。言わせてほしいの









貴方には








「エアリス〜。この通り!」


「ダーメ」






それにね?







ザックスのコロコロと変わる色んな顔──
















──また、見たい。






「空、違う人が一緒に見てくれた。」



「うっ…」



「神羅ビルから助けたくれたのも、違う人。」



「ぐっ…」





「最期に駆けつけてくれたのも、クラウドだったけど?」






「………うぅ。」




ふふっ。困ってる、困ってる。














「ごめんな〜。」



ザックスが肩からガックリと落ち込んじゃったけど、すごく懐かしいな。そのポーズ






ザックス変わらないね。






“やっぱり”っても思ったけど










安心。した









「本当俺ミッドガルに帰るつもりだったんだって!」


「違う女の子の所じゃなくて?」



「そうだよ!ほら!コレを目印にミッドガルを目指してたんだぜ!?」





そう言ってザックスが一枚の紙切れを見せてくれた。








そう





















“ささやかな希望”が書かれた小さな紙切れ







「これを何回も見ながらミッドガルに帰ったんだよ。……あ、いや。帰れなかったんだけどな…」





ふふっ。ガシガシと後ろ髪をいじるその癖、健在なんだね。







「だから他の女の子の所に寄り道なんてするわけないだろ?」








心臓、動かなくなったはずなのに、ザックス一緒だとまだ私の中で大きく動いてる気がする。









ドクンドクンと脈打ち、私の感情を知らせてくれてた感覚が、蘇るの。






ふふっ、変。だよね?









「エアリス?」










一番、嬉しかったこと──




紙が折り目通りにボロボロだったこと。





本当に何度も読んで、大事にしててくれたんだね?









一番、悲しかったこと──





















紙が、紅く滲んでいたこと。





ザックスはミッドガルに帰るため、トモダチ──クラウドを守るため最後の最期まで戦ってくれてたんだよね?



















───ありがとう。






「その、約束守ってやれなくてごめんな?いっぱい、いっぱい約束したのに……」



「ザックス?」


「殆んどクラウドが果たしてくれたもんな…やっぱ、クラウドの方が‥‥‥‥好きだよな?」


「あ、ザックスあのね?」


「でもさ!俺の方がエアリスのこと絶対好きだしそれに」





「どうよ!?俺もまだまだイイ男じゃないか!?」






「‥‥‥ぷっ」

そういうのって自分で言わないよ?




でも、ふふっ、そうだね。ザックスはイイ男だよ?










もうずっと、昔からイイ男。









なのに神羅はザックスを──。



あんなに頑張って仕事してたのに。


あんに頑張って英雄目指してたのに。








あんなに頑張って













会えない時間、我慢したのに……。











「大っ嫌い。」





神羅なんて大っ嫌い!






「そ、そんなに…?」


「あ、ザックス」

違うの!ザックスのことじゃなくて





「やっぱりクラウドの方が好きか……」




しおしおと枯れていくザックスにどこから説明したらいいか分からなくて困っていたら





「……分かったよ」



「え‥‥?」



「エアリスの気持ちはよく分かった。」



「ち、違うのザックス!」




「はぁ‥‥。」




「あ、あのね」

違う!違うよザックス!



「いいよエアリス」


お願い、聞いて!



「私は今も…「よっし!」



その声にビックリした私は弁解するのも忘れ、眼をパチパチさせながらザックスの次の言葉を待った。
















「もう一度振り向かせる!!」



「‥‥え?」




「もう一度俺のこと、惚れさせてやるよ!」







ザックスは私に指を指しながらニカッと笑った。



出会った頃から変わらない、あの素敵な笑顔でそう言ってくれた。







「それで前よりも俺のこと大っ好きにさせてやるからな!!」



なんかスゴく自信満々そう。







「うーん。出来るかな〜?」


だって






「見てろよ〜」







もう十分好き、なんだけどな〜。





「よし!そうと決まればエアリス、デートだ!デートしよう!」



「え!?ちょっとザックス!?」


私の返事も聞かずにザックスは私の手を取って「どこ行きたい!?」なんて聞いてきたけど












貴方となら、どこにでも行きたい。
















ふふっ。もう少しだけ、拗ねたフリを続けようかな?






このままザックスが私の事しか考えられなくなるまで、ね?














あのね?










私、





空も見た。


世界も歩いた。


神羅からも逃げられた。







でもね?




まだ、一番の約束は果たされてないの












誰にも譲れない約束。















“もっと一緒にいたいです”

















ザックスにしか頼めない約束なの。






だから、














握り返した手の強さに気づいてね?









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COCO様に捧げる相互リンクのお礼です!受け取ってやってください。( p_q)
あと題名は「?」な感じかも知れませんが一応「変わらない」ザックス・「変わらない」エアリスの想い・誰もザックスとは「代われない」などの意味を込めて、あえて平仮名ですよ?決して頭が悪くて漢字が分からない訳ではないんです。(´Д`)

2010 08 06




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