「ったくよ───自由の代償は高いぜ」



「いらっしゃいませー!」












『果てなき夢の終着点』












──クッ!さすがにこの人数。鈍った身体にはキツいな。



「はぁっ!」


それでもザックスは神羅兵の攻撃を器用に避けたりしながら応戦していた。








「どけーーー!!!」


待たせてるんだ。4年間も。








これ以上待たせるのは





「男が廃る!!」









約束したんだ。会いに行くって。









まだ、ピンクの服だって見てない









まだ、花売りワゴンだって直してない









まだ、空だって見に行ってない

















“もっと一緒にいたいです”




そうだ














まだ、一緒にいたいっっ







──!!?



目の前の神羅兵たちを倒し視界が開けたザックスが目にしたもの───。







(ミサイル!!?)



ザックスは慌てて頭をガードしながら身を低くした。




!!!!!!!!!




その衝撃は凄まじく、ザックスは爆風に巻き込まれ数m先の岩に叩きつけられた。



「うっ‥く‥‥‥はぁ、はっ」




痛ってぇぇ…っ!






(相手が弱すぎたな。さぁ次だ)
(何か言ったか?先を急ぐぞ)





(また、すぐ会えるさ)



──ちぇ…アイツならこんな攻撃も涼しい顔で避けるんだろうな……




なんとか致命傷は避けられたものの片腕はやられ、剣を振るうのもやっとな状態だった。







「ちっ!‥‥はぁはぁ!」




「なっ!?」



ふらつきながらも、なんとか立ち上がったザックスが見たものそれは‥‥‥。






「仲間だったんじゃないのかよ‥‥っ!!」






















──神羅兵の死体の山。




きっとザックスの近くに居たものから半径数mに居た者まで巻き込まれ、そこら辺あちこちに転がっていた。








神羅兵…──



(覚えててくれたのか)
(俺もソルジャーだったらな…)






(よろしく!)



「くそっ!くっそーー!!!」



ザックスはバスターソードを握り直し、目の前の神羅兵たちに感情をむき出しにして走り出した。








「仲間を何だと思ってるんだ!?」







「どいつもこいつもお前たち神羅は仲間を大切にしないでっ…!!」





(タークスのツォンだ。)
(甘く見ると失敗するぞ)




(ザックス、その後は頼んだぞ)






(シスネよ)
(タークスの連携も、なかなかでしょ?)





(ザックス、後でね)





───タークス…。








(使うと汚れる。欠ける。磨り減る──。)
(英雄になりたければ夢を持つんだ。そして誇りも)



───アンジール…。こんな時あいつなら、どうするかな?





















(剣よりもおまえの方が大切だ。ほんの少しな)









ザックスは身体の奥から熱く込み上げてくるものを感じ全身に力を込めた。








「俺はここだー!!」





「隊長!ターゲットが1人で崖の方へと走っていきます。」
「ふん!何を考えているんだ?良い的じゃないか。」
「いかがなさいますか?」
「ミサイルを用意しろ」
「はっ!」










!!!!!!!!!!!

「うわーーーーーっ!!!!!」


神羅兵たちを避ける為1人になって走っていたザックスは直撃とまでもいかないまでも先程よりも、まともに攻撃を受け、崖の上に身を転がされた。






























────空。だ‥。





「よし!兵二名は私に続け!!お前はヘリに残って待機していろ。」
「はっ!」

























(もしも〜し)


──エアリス‥‥?

(あたり)


──なんで?


(聞く?)







ザッザッザッザッ…。

──ん?


ヘリから降りてきた神羅兵と隊長の三名がザックスに銃を向けながら近づいてきていた。










───エアリス。ちょっと、待ってろよ?








「くっ!はぁはぁ‥‥」


ザックスが最期の力を振り絞り立ち上がる。



しかし










戦いの結果など目に見えていた…






「これほどの人数相手によくここまで頑張ったものだが…」





「終わりだ!」


──ガチャッ

3つの銃口がザックスに向けられた。





───エアリスっ!!!










(もしも〜し)
(あたり)
(聞く?)
(この空なら、恐くない。)
(また、会えるよね?)










(待ってる)




!!!!!!
「うわあああああぁっ!!!」










倒れたザックスに止めを刺すために無数の銃弾が………













撃ち込まれた……。













最後に聞こえたのは、君の声。







最期に望んだのは──





















ずるずるずるずる……

───‥‥?



「ザックス…」

───くラウ‥ど?







無事だったか…‥







なぁ俺の最期の言葉・想い、聞いてくれ



もう、お前しか話し相手が、いない…。



まぁ、ツマンナイ話かもしれないけど、良いよな。













トモダチ、だろ?









「全部やる。」



その言葉を最後にザックスは静かに目を閉じた。




誰かの叫び声が遠くに聞こえた気がした──。






















────エアリス。
待たせたままでゴメンナ




“会いたい”そう望んだんだけど






けれど、今の俺には 過ぎた願いで












悪いな。











ここで お別れだ。




俺の想い 願い ぜんぶ 空虚に消えてく───












果たせなかった約束。





果たせなかった夢。





エアリスは4年間も待っててくれたのにな







教会に たったひとりで‥‥。





今日もきっと エアリスは教会に居るんだろうな…。










そこに何も残せないと




やっぱ少し残念かな?










だからさ───



























クラウド。

















エアリスにあったら よろしくな












ミッドガルを見下ろせる小高い丘の上に優しく舞い落ちた一枚の白い羽───。










「自由の翼」






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ザックスの最期。。。( ┰_┰)
色んな意味で原点回帰を試みてみました。CCのエンディングを最近またやったので無性に描きたくなり衝動的に描きました(笑)

2010 07 02





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