傷
今日、報告が入った。
“脱走者、始末完了。”
あの子は今日も変わらず、アイツを待っている。
無事を祈っている。
初めて
自分の仕事をツライと感じた気がした。
いっそ
手を無理矢理取って神羅へと連れ去ればキミは──
暴れて、
怒って、
泣いて、
叫んで、
そんな風に、キミを傷付けることができたなら
「エアリス。」
「なに?」
謝ることが出来るのにな…。
「いや、なんでもない。」
「…神羅には、行かないよ?」
「フッ、分かってるさ。」
分かってる。
そんなことをしたら
きっと傷つくのは私自身なんだ。
2013 03 22