「ねぇ?もし…」
「もし?」
「目が覚めたら世界中、誰もいなくなってたらどうする?自分ひとり。」
「自分ひとり、か。」
ザックスは私の唐突な質問にも真剣に考えて、首を捻ってくれる。
そんな、ちょっと変な人。
「うーん、困るな。」
「‥‥それだけ?」
「それだけ。」
「‥‥やっぱり、ザックスって変。」
「なっ!?ひっでーな!じゃあエアリスは?どうするんだ!?」
私は‥‥。
「‥‥泣く。かな?」
「泣く、かぁ‥‥。」
きっと耐えきれない。
だって、みんなみんな居ない。大好きなものも、大嫌いなものも。
だから
泣ければ、マシ、かもね。
「じゃあさ、そのまま泣き続けてろよ!」
それこそ酷い話だと思って、泣きそうになった。
その時は、慰めてやる。ぐらい言えないのかなぁ…。
「あ!泣く時は大きな声でよろしくな。見つけに行くからさ!」
「‥‥それ無理。だって私以外、誰も居ないんだよ?」
だから悲しくて泣くのに。
“無”に押し潰されないように、声を張り上げようとするのに。
どこからどうするつもり?
「無理じゃないって!俺しかいない世界から、エアリスしかいない世界へひとっ飛び!楽勝だろ。だって1+1は?」
なんで、ザックスは──。
「‥‥2。」
「残念!」そう言ってザックスが私の両頬をつねる。
「にっ!だろ?」
白い歯を見せながら笑う彼の顔が近い。
なんで、ザックスはいつも
私が求めてる以上の答えをくれるんだろう。
本当に、
ザックスなら世界。ひとっ飛びかもね?
「クスクス。よくそんなこと、思いつくね?」
「そんな俺だから、こうしてエアリスを見つけられたんだ。何処にいたって、何処かにいるなら見つけてやるさ。」
でもだから、
「安心してどこにでも隠れてろよ。」
「ふふっ、5分以内に来てね?」
ザックスには無理難題を言っちゃうんだろうなぁ。
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数分で描いた思い付きネタ。なので内容は皆さんが補完してくれれば有りがたいです(汗)
2011 10 03