最近、レベルアップしたなぁ、と思う。
女としてのレベルアップ。
って言ってもね?何か良いものってわけじゃなくて、女の人の特殊能力。
「あの、すいません。」
「はい?」
「えっと、ここに出入りしてるソルジャーの方ご存知ですか?」
女の勘。ってやつなんだけどね?
「黒髪のツンツン頭?」
「そうですそうです!知ってますか!?」
「‥‥‥‥‥うん。ザックスのこと、だよね?」
「ザックスさんってお名前なんですね。」
「‥‥‥うん。」
この人、きっとザックスのこと、好きなんだろうなぁ。
「ザックスがどうかした?あいつ女好きだから何かされたりした?」
「あっ、いえ。この前困っていた時助けてもらって…」
‥‥そのお礼ですか?
特に理由はないけど、心の中でザックスを1回殴ってみた。
「彼、‥‥ザックスさんはよくここに来るんですか?」
女の勘。その2───
「よく来るぜ。アンタこの前のおねーちゃんだよな?」
‥‥‥やっぱり、ね。
「あ!ザックスさん。この前はありがとうございました。」
「いやいや、女の人が困ってたから手を貸すのは当然だって。」
「いえ、本当に助かりました!それで──」
そのお礼にお茶、ですか?
うん。きっとそうだよね。ザックスが「それよりデート1回!」なんて言い出さない限りは…。
まだ終わってないし、お花たちの手入れの続きしよっ。私には関係ないもんね?
「エーアーリース。」
「いってらっしゃい。」
「え?どこに?俺今来たばっかりじゃん。」
「お茶かデート行くんじゃないの?」
「あれ?今日そんな約束だったっけか?」
「私とじゃなくてさっきの子と、でしょ?」
「あぁ!いやいや、誘われたけど断ったぜ?」
「断っちゃったの!?さっきの子きっとザックスのこと、好きだったんだと思うよ?」
「あー…。たぶんな。でも俺にだって選択権ぐらいはあるだろ?」
ザックスが女の子のお誘いを断るなんて…
「ザックス、熱でもあるの?」
「‥‥それ、どういう意味だよ。」
「だってザックス、女の子好きでしょ?」
「いやまぁそりゃー好きだけどね…。」
「珍しいこともあるんだね?」
「珍しいことって…。エアリスこそそんなに鈍いのによく分かったな。あの子が俺のことが好きだなんて。」
「レベルアップしたみたい。」
「レベルアップ?‥‥じゃあ、腕相撲でもするか?」
「違うよ。力とかじゃなくて、女としてのレベルアップ。」
「なっ!?‥‥エアリスこれから外出禁止な!!」
「え‥‥なんで?」
「あったり前だろ!俺が居ない間に他の男が言い寄ってきたらどーすんだよ!?」
‥‥‥‥‥。
「‥‥‥‥ぷっ、クスクス。」
「笑い事じゃないって!」
「だってザックス勘違い。」
「勘違い?」
ふふっ、ザックス、なんでそう思ったのか分からないけど、女としての“魅力”がレベルアップしたんだと思ったみたい。
クスクス。そんな“言い寄ってくる他の男”なんかいるわけないのにね?
「なんだよ?笑ってないで説明しろよな。」
「ごめんね?ザックス。」
「なにが?」
「さっき殴っちゃって。」
「???」
きっと私がいくらレベルアップしてもザックスには敵わないんだろうなぁ。
あなたは私のラスボス。
必ず最強になってザックスの目の前に現れてやるんだから、覚悟。しててよね?
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不作じゃー!なんか纏まらないなぁ(´・ω・`)
2011 09 12