「ねぇザックスは明日が来なければ良いのに。って思ったこと、ある?」






「…どういう意味?」






朝、いつもと変わらずお母さんが「朝だよ起きなさい。」って起こしてくれて



教会に来て、お花の世話をする。




そろそろかな?そう思う頃、ザックスに会える。




そんな何も変わらない毎日を当たり前のように過ごしたい。





私の大切な普通。




「変わらない毎日。」



「変わらない毎日?」








私が大切にしていた普通、今はもうない…。





なくなってしまうのなら
奪われてしまうのなら
空が吸い込んでいくのなら




このまま

今のままいさせてほしい。




「…毎日が同じことの繰り返し、ってこと?」





「うん。」



壊れないよう
壊さないように
壊されないように






明日なんか来なければ良いのに、そう思ってしまう。
















「そうか…。」









私は、いつまでも怖がりで泣き虫で




失いたくないものを毎日数えながら










少しずつ失っていく──。











「花が咲くぜ?」


「‥‥‥花?」



「それにさ、エアリスは明日俺のこと好きになってるかもよ?」


「…どういうこと?」


「その次はもっと好きになってたりしてさ?」




「ザックス…?」



「もっとエアリスを好きになってる俺に会える明日だってある。」



「…クスクス。なーにそれ?」
「だからさ──」



ムギュッ。

両頬に軽い痛みを感じてザックスにつねられたんだってわかった。その唐突な出来事に、ただただ目の前の≪空≫を見上げる。








「寂しいこと言うなよ。明日が来たから俺たち出会えたんじゃない。」



「‥‥‥‥。」



なんで‥───


「無理して笑うな。俺が責任もってエアリスが笑顔になれる明日を迎えさせてやる。」




ザックス言葉は、こんなにも私の奥に響くんだろ…。



「任せとけって!ヤな事ばっかりだった明日もあったかもしれないけど、それはもうおしまい。明日は怖くないって俺が教えてやる。」






「───‥ヒャックヒュ。」







「‥‥‥‥ぶっ!」




───‥ぶっ?






「あっははははは!エアリスおっかしーのな!“ヒャクヒュ”だってよ!ヒャックヒュ!」

楽しそうに笑い出したザックスは自分のお腹を押さえるのに忙しくなって私の頬から手を離した。


「もう!ザックスのせいでしょ!」


「いやー悪い悪い。エアリスが可愛くってさー」



「笑ったくせに…。」


「ついだよ、つい。もう一回やっていい!?」

「ダメ!」



腰に手を当てて、赤くなった頬を膨らませる。


恥ずかしさを誤魔化すように怒ったフリ。



でも、そんなのも






わしゃわしゃわしゃわしゃ──。



「わっ!?…ザックス!?」


「本当、エアリスは可っ愛いなぁ。」



ふふっ、ザックスにはバレバレみたい。






顔をくしゃくしゃにして笑って、少し乱暴に私の頭を撫でるその手が、





あたたかかった。



この温もりが明日も待っていてくれるって言うなら。







≪明日≫は、怖いばっかりじゃない気がする。





「ふふっ、ザックスってすごいね?」


「そーだぜ?今さら気づいたの〜?」





ザックスは私に


未知を教え、勇気をくれ、いつかの目標になる。






無理して笑う、怖がりで泣き虫な私には








「ふふっ、えい!」

「お?」











  アナタが必要です。











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スランプです…。
スランプなんて言葉を使えるほど立派なもの描いたことないですが、スランプです。

2011 07 28



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