今日もエアリスは花たちの手入れをしている












しているんだけど‥








なーんか心ココに在らずって感じなんだよなー。








そんな事を頭の隅で考えながらも俺は今日あったことや、この前の任務の話をエアリスに話してた。



「そん時にさカンセルが言うんだよ!あ。カンセルってこの前話した俺の仕事仲間で友達なんだけどさ、」



「ん?どうした?いきなり立ち上がったりして」









「‥‥‥。」



「もしも〜し?エアリス?」





「‥‥‥。」




‥‥‥?




何か怒って無視されてるって訳じゃなさそうなんだよな…



「エアリスー?」




俺の呼び掛けに反応してかしてないかエアリスが振り返り、無言のまま俺の横に、すとんと座る。




「どうかしたのか?」



「ううん。話し、続けて?」


「?あー‥、うん。」




「んでさー‥あれ?どこまで話したんだっけ?」




「‥‥。」




「エアリス?」






応答なし。








何かが、あったんだろうけど









何だ‥?









まさか、新羅とか!?いや、アバランチか!?





俺がアレやコレやと思考を巡らし始めたときだった。












────‥こてん。



「エエエエ、エアリス!?」



いきなりエアリスが俺の肩に身を預けてきて







驚きすぎた俺は、情けなくも声を裏返してしまった‥。








「‥なに?」


「な、なにって‥」



それ、俺のセリフ…






ど、どうしたんだ!?




今日のエアリス、なんか変とか、そんなレベルじゃなくないか!?







そう思って盗み見るようにエアリスの顔を覗いてみると…





胸がざわついた。



「‥エアリス、何があったんだ?」




「何って?」





「すごく泣きそうな顔してる。」






正直、泣いてるのかと思った‥‥



「‥‥‥そう、かな?そんなこと‥」

「ある!そんなことある!俺がエアリスの事で見間違えるはずねぇもん。」


「クスクス。なにそれ?」


「誤魔化すなよ。」






エアリスは泣いてるのに、笑う。








俺はそれが、苦しくて悲しい。












まるで突き放されたみたいだ…。











エアリスの正面で腰を落とし、彼女の碧の瞳を真っ直ぐに見上げる。






なぁ、












俺を置いていくなよ。





「…ザックス」




話し出すエアリスに期待と不安混じりに「何?」と聞いて少し身を乗り出した。














「触って、いい?」


「えぇぇぇえええ!?」



なななななな!?心の準備が…!!!!




エアリスの大胆発言に乗り出した身を思いっきり引き戻して驚く俺に、エアリスは手を伸ばし





俺の頬に触れた。









───…なんで











さっきよりも泣きそうな顔、してんだよ。






こーゆう時、俺じゃダメなのか…



「エアリス‥」

俺じゃ支えになってやれないか?そう続けようとしたけど








答えが怖くて言葉を飲み込んだ。












一体、俺は今どんな顔をしているのだろう…。



















「今日ね、夢を見たの。」






「‥‥夢?」



「うん。」








「どんな夢だった?」








「ザックスがいた。」



「俺?じゃあいい夢じゃない」




エアリスが大きく首を横に振る。



「あー‥、ヤな夢だった?」















「ザックスがいた。でもね?」












「ザックス、他の女の人と楽しそうに笑ってた。」







「それで、私がザックスを振り向かせたくて、大きな声で呼ぶけどザックス、全然振り向いてくれないの。」






「慌てて追いかけるけど、ザックス達には追いつけなくて、でも、手を伸ばしてやっと追いついたのに‥‥」












「どうした?」





「‥‥ザックス、私なんて知らないって。」



「そのまま、どこか私の知らない所に行っちゃう夢。」



エアリスが俺の手を取って自分の胸の前で握りしめる。



「私、ザックスがいなくなるの、イヤ。一人はイヤ。ザックスがいなくなっちゃうのはすごく、悲しいくて怖い。」





「エアリス。」



この子は、なんて‥




「だから、私のこと」












「置いていかないで。」




なんて一生懸命なんだろう…。



それが


「泣くなよ。」




「まだ、泣いてない。」


「そうか〜?」





「泣いてませんー。もう、なんで笑うの?私、真剣に話してるのに!」



「はははは。ゴメンゴメン」




──‥愛しくて切ない。






「なぁ?エアリス」



「?」







「俺はここに居る。」


エアリスの頭を俺の胸にしっかりと引き寄せる。



「‥‥‥うん。」



「エアリスこそ、忘れるなよ?」




「‥うん。」




「なら、大丈夫だ!」


「ふふっ、今、ザックスすごく近いから、安心する。」


「確かに、いつも一緒に居られる訳じゃない。“離れてても心は近く。”なんて無責任なこと言えないけどさ」





「寂しくなったら思い出してよ。きっとエアリスに笑顔と元気をやるから」



「ありがとう、ザックス。‥‥さっきね?ザックスの仕事の話を聞いてたら、外には私の知らない沢山のザックスがいて、やっぱり遠いなぁって思った。」



「なーんだ、そんなこと。」

「?」





「知らないのなら知れば良い!楽勝だろ。それに俺の魅力なんて知り尽くそうとしたら、ひゃく‥いや、千年はかかるぜ〜?」



「ふふっ。うん、じゃあ千年間、追いかけようかな?」


俺の腕の中でエアリスが花のように笑う。






こーゆう時、俺じゃダメなのかと思ったけど





どうやら俺は、










選ばれたらしい。




それが嬉しくて思わずニヤけてくる。




「ねぇザックス、お願い、いい?」



「お?なんだ?」



「あのね?」




「うん?」









「ぎゅって、もっと強く、抱きしめてほしい‥。」



「ええぇ!?」


「ダメ?」


「いや!全然!ダメじゃない!」



ダメな訳がない!





「つ、強よく抱きしめていいの!?」


「うん。痛いぐらい強く、抱きしめてほしい…。」




「なっ!?…」



マジで!?いいのか!?








「ザックス、お願い。」



俺の胸に寄りかかり、エアリスが上目遣に俺の服をきゅっと握りしめながら言うんだから






そりゃ俺なんてイチコロだろ。






気が付けば、俺はエアリスを抱きしめてた






強く強く。





そんな俺に応えるように



エアリスが精一杯、強く抱きしめ返す。





「ふふっ、残念。」


「ざ、残念?」







「やっぱり、強く抱きしめ合ってもひとつには、なれないね?」



「‥‥っ!!」






あ゙ーーーーー。黙れっ、俺の心臓!!!








「‥なりたい?」


「ザックスとだったらそれも良いなぁ〜って」




エアリスの可愛すぎる攻撃に自然と抱きしめる腕にギュッと力が込もった。







「ふふっ。ザックス、今日は汗くさくないね?」


「いつも汗くさい?」

「ううん、イイ匂い。ザックスの匂い、すごく安心する。」




「そうか?俺はエアリスの匂いの方が落ち着くけどな〜」





「ね。今、ザックスが仕事に行かなくちゃ、いけなくなってね?」



「?うん。」


「私が、行かないで〜〜〜〜。って言ったらどうする?」



「う〜〜〜〜ん。よしっ!じゃあ一緒に行こう」



「大丈夫?」


「任せとけって!俺がバッチリ守ってやるよ!」



「クスクスクス。」


「?どうした?」



「あのね?“それ”が大丈夫?」




「なっ!?ひっでぇーなぁエアリス。俺をなめるなよな!俺はな…」

「ソルジャー1st!でしょ?」



「そのとーり!」




俺が手を腰にあて、誇らしく胸を張って見せた時だった





───プルルルル、プルルルル‥



「エアリスってエスパー?」


「いつもバッチリだね?」


「ぜんっぜん嬉しくないけどな。」





まぁ案の定仕事の電話だったわけで




「一緒に行く?」

「ふふっ、今日はやめとくね?」



「そっか。残念」


「ザックス」


「ん、なんだ?」



「帰ってきたら、続き。してほしいな。」


「つ、続き!?って‥!?」





「私の中のザックス専用スペースは、ザックスにしか埋められないの。」


「だから、ね?」



「なぁそこ、俺の予約席な」


顔のニヤケが抑えらんねぇ





「ふふっ、ずーっと空けとくね?」


「よろしく!」




そう残して俺は扉の前まで走っていって外に出ようと扉に手をかけた。






かけたんだけど‥‥



「あー‥予約、予約かぁ‥」

「どうしたの?」




「エアリスもどう?予約席」

「??」









「俺のこと、一番近くで見ててくれ」




それは、エアリスしか考えられない話で。





君が俺を選んでくれたように





俺もエアリスが良い。


エアリスとだから、意味がある。





「する。予約したい!」





「じゃあ、決まり!約束な!」


「うん、約束。」


「ぜったいだからな!わすれるなよ!?」


「うん、ぜったい忘れない。」




「じゃあ、いってきます」





「いってらっしゃい。」











────バタン。




教会を出て2・3歩したところで、空に覆い被さるプレートを睨み付け


自分の両頬を思いっきり叩いて景気のイイ音を鳴らした。


──パンッッッ!!!


「よっしゃぁぁあ!気合い注入!!」





好きな人がいるっていうのはさ、必ずしもいいことばかりじゃなくて



つらいことだってある。


不安になることだってある。


見失うことだって




でも




今日のエアリスが、俺が、心の奥のところにひびいていて




今の俺達にならなんだって出来そうな気がする!!





俺はウキウキする気持ちと両頬をおさえながら走り出す。




「あ゙ーーー!くそっ、少し強く叩きすぎたな〜。痛てぇ」




なのに



ニヤける顔だけが抑えられなかった。











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涼さん大変お待たせしました(;^_^A 『珍しく甘えるエアリス』を精一杯目指しました!でもこれエアリス甘えてる?甘えて…甘えて、る?
すすすいません!!何か主旨とズレてしまってる感が否めませんよね!?でもでも愛情だけは、ものすっごい詰めて描かせてもらいましたので許してやってください(涙)
5555hitキリ番リクエストありがとうございました!!

2011 03 01


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