『忙しい日常』





「エアリオー!会いに来たよ!」



「おっ、ザックネおはよ。」


「えっ!?なんで?どうして?」



ザックネが驚いたもの、そこには先客として予想は出来るが予想してなかったタークスのツォン・チャンが居た。



「何でツォン・チャンが居るの?」



ザックネはあからさまに嫌そうな顔で聞いた。それは帰れと言わんばかりの顔だった。


「仕事よ。貴女こそ仕事はどうしたの?」



「私は今日非番なんですー。仕事ってツォン・チャンは監視だけなんじゃないのぉ?」



「そうだけど?何か?」



「何でエアリオの隣に居るのよ!?」



「あ、あのなザックネ。俺がツォン・チャンにちょっと頼み事、してたんだ。」


「え〜〜!?」



「そういうことよ。別にやましい事じゃないから安心しなさい。」



「べ、別にそんなんじゃ…って言うかやましい事って何よ!?」



「さぁね?」



「まぁまぁザックネ。」



ツォン・チャンはからかう様な眼で一度ザックネを見た後エアリオに「また何かあれば言いなさい」と言葉を残してその場を去った。


「ありがとう。」



「…………………。」



膨れっ面とはこういう顔かと思うほど頬をパンパンにしてそっぽを向いてザックネはエアリオと目を合わせないで居た。


「……怒ってる?」


「……。チョットね。」



“チョット”その言葉と態度があまりにも合っていなくて思わずエアリオは吹き出してしまった。



「な、何で笑うのよ!?」


「いや、ごめんごめん。」



「イヤ。」



「ゴメンね?」



「…何が?」



「うーん。ザックネに頼まないで、ツォン・チャンに頼んじゃって?」



「そうよ!それ!何で私じゃないの?エアリオの頼み事ならなんだって出来ちゃうのに!」



こんなふうに素直に自分を叫べたりエアリオに対する気持ちを言ってくれたりするザックネのこういう部分をエアリオはただ単純に好きだなぁ。と思っていたし、羨まし部分でもあった。



「ザックネじゃ駄目、だったから。」



「そんな〜。」


心底悲しそうな顔をして大袈裟に項垂れるザックネの後ろには『ガーン』という文字が書いてあってもおかしくないほどだった。



「何で?何で私じゃダメなの?」



「あのな、ツォン・チャンに頼んだの、お使いなんだ。」



「お使い?」



「そう、前に仕事先で買ってきてくれた花の苗あったんだけど、それ、もう一回欲しくて頼んだんだ。」



「えっ!?私にだって言ってくれれば良いのに〜」



「だってザックネ花の苗、種類分かんないだろ?」



「ふふん。なめてもらっちゃ困るわ。私も“べんきょー”したから少しは分かるのよ。」



ザックネは誇らしげに胸を張り腕を組んで「どうだ!」という感じで鼻高々に答えた。



「ハハッ。分かった。じゃあ次から、ツォン・チャンに頼む用事とザックネに頼む用事、交換するな?」



「ん?私に頼む用事って何?」



「俺とデートとか、一緒に居てくれることとか、かな?」



「えー!?ダメ!!絶対にダメ!!!それは交換しません!私だけなのそれは!」



ザックネは両腕でバツを作り片足を前に押し出したりして身体全部を使ってダメ!!を表現した。



「じゃあ、これからもザックネが一緒に居てくれるか?」



「もちろんよ!」



「デートは?」



「愚問ね。」



「じゃあ、さっきの事。許してくれる?」







「うん。」



「良かった。」



エアリオはにっこり笑った。


ザックネはこの笑顔には勝てないな〜と考える。そしてやっぱり誰にも渡したくないし、渡さないと1人改めて決意していた。



「じゃあさ、仲直りしたしこれからデート。するか?」



「行く行く!あのね、私、実はエアリオと行きたいところがあるの!」



「じゃあそこ、行こうか?」


「うん!」



「どこ?」



「あのね〜…。あっ!やめた!内緒〜。着いてからのお楽しみ。」



「え〜?気になるな。」



「ふふっ。」












2人で喧嘩したり、仲直りしたり、一緒にデートしたりと喜怒哀楽に忙しい日常まだまだ続く。








あなたと居るそんな日々が幸せ。




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番外編の第2弾。なんか相変わらず書いてる私だけが楽しいシステムですね(・∀・)
主要キャラは全員出したいな〜。

2010 04 05
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