たまたま。


偶然‥‥。


‥‥‥奇遇。





本当そんなつもりじゃなかったんだぞ?



そう。たまたま通りかかったら居たんだ





そんな感じだ。




うん。そんな感じていこう!





「よ、よぉ…」


ヤベッ声が裏返った…!


右手を上げて軽く挨拶をするつもりだったのに、予定外に裏返った声に俺は背中に冷たい汗をかきながらひきつった笑いを浮かべた。



「クスクス。どこから声、出してるの?」


「‥‥‥喉です。」


まぁ笑ってくれたのなら




良しとしよう。



「ぐ、偶然だな〜」


「ふふっ、そうだね?」



「ははは‥‥。なぁ偶然」




「‥‥。」





か、会話が‥‥





何を話したら良いんだ…










えっと…








「アレからさ何か変わったこととか何か変な事とかなかったか?」


「なんで?」





「ほら、ここあんまり治安よくはないだろ?変な奴に絡まれたりしてないかな?って」




まぁ常にタークスの監視やら俺が様子を見に来たりしてるから、そんなことないんだけどな…



「うーん。変わったことかぁ」


「いや、ないなら良いんだぜ?」



「あ。」


「え!?うそ何かあったか!?」


「うん。今日、変なことあった。紫のソルジャーさんが何回も公園の前、行ったり来たりしてかな?」






って‥‥




俺じゃね?



「気づいてたのか?」

「うん。」


「変、だった?」

「うん。」


ぐしゃっと俺は上から何かに押し潰されたように地面に崩れ落ちた。







つーかアホじゃん俺。





「大丈夫?」


「ダイジョバナイ…」


「なんで?」














「何が?」


「何か用事、あったんだよね?きっと」


「‥‥‥あった。」


「どうしたの?」



「花、買いに来たんだ。」



「良いけど、この前買ってくれたばかりなのに、良いの?」




「あぁ。いーの いーの」とパンパンと膝と手の砂を払いながら立ち上がって言った。



「アレは俺ので今日のはプレゼントだからさ」



「プレゼント?うわぁ!もしかして彼女!?」


「ははっ違うよ。そんな良いものじゃないさ」



「そうなの?」



随分とつまらなさそうな顔をされてしまったな…。



ふん。俺はアイツと違ってモテないんでね。




はぁ‥‥





そうだよな〜普通こういうのは彼女とかにするもんだよな〜…





「何本かな?」



「え?何が?」


「ふふっ。考え事?お花、何本用意したらいい?」



「あぁ。一本で良いかな」

「クスクス。彼女じゃないから?」


「ほっとけ!」



「「‥‥‥。」」









「「あっははははは!」」



「ふふっ。ムキになっちゃったね?」


「男には禁句なんだぜ?」




「覚えとくね?」


「うん。そうしなさい。」


「ふふっ。じゃあお詫びにお花、きれいな色の子にするね?」


「あ。」

「?」


「いや、花はさ特別なやつじゃなくて良いんだ」


「そうなの?」


「あぁ。いつも教会にあるような飾り気のない花が欲しいんだ。」




俺の要望にエアリスは不思議そうな顔をしてたけど、それじゃなきゃダメなんだきっと──





「じゃあこの子がちょうど良いかな?」


「ありがとう。」




───きっと、これを見たいはずだから。

























「おいカンセル!どこ行ってたんだ!?」



「ちょっとな」


「まぁいいや。早く来いよな〜俺たち同期の祝いをしてくれるって言ってくれてんだから俺らが遅れちゃまずいだろ」



「わかってるって今行くよ」





シュン──‥



「なぁ今お前が出てきた部屋ってよ…」


「‥‥なんだよ」



「今さら何してたんだ?」




「別に、ただ今日は俺達同期の祝いの日なんだろ」







「‥‥なぁ悪いことは言わない。諦めろって」




「ほっとけ。」



「‥‥‥無駄だと思うぞ。」

「俺の勝手だ。」








───今日は俺とお前が揃ってソルジャーになった日。また一年頑張ろうぜ。







───‥


「俺はザックス!これからよろしくな!」


‥────




あぁ。
また、一年よろしくな。



だから












生きてろよ。













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最近カンセルを動かすのがすごく楽しいです(*^^*)

2011 01 16


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