「はじめまして。私、エアリス」




第一印象は──あれ?

だった。



どこかで聞いたような見た目が、アタシにそう印象つけたんだと思う。



茶色くウェーブのかかった髪にキレイな碧の瞳。
















   『バーカ。』

















それから数日後、アタシたちはコスタ・デル・ソルに来ていた。



「わぁ。キレイだね?」

「本当!空も高いし海も凄く綺麗。」



「さすがに暑いな」






「おい。先ずは宿屋にいくぞ」



「なーなー。クラウド〜」



じーーーー。



「‥‥はぁ。好きにしろ」


アタシの可愛い眼で訴えてやったらクラウドだってイチコロだな!



部屋の手配とかメンドーなのはクラウドにお任せって訳でアタシは早速マテリアのショップを探してたんだけどさ



「さすがに多いなぁ」



有名なリゾート地だけあって右を見ても左を見てもカップル達が目立つ



ビーチに出たらもっと居るんだろうな〜






なんか想像しただけで疲れるよな〜…。




特に目ぼしいマテリアも見つからないし少し早いけど宿に戻ろうかな‥‥



「ってあれ?エアリス?」




「あ。ユフィどうしたの?」


「それはアタシのセリフだよ。なにしてんのさ、1人で」





「空、見てたの。独りで」


「空ね〜。それって楽しいの?」


「キレイだなぁって思うよ?でも、ふふっ。やっぱり楽しくないの」



なにかが引っかかったけど、なんかエアリス1人になりたそうだったし邪魔しちゃ悪い気がしてアタシは1人先に宿に帰った。



宿に戻って夕飯とかを済ませて部屋に戻ってからも頭の中には昼間見たカップルとエアリスのセリフが頭から離れなくって色々と想像しながらあれこれと考えていたらアタシはある一つの考えがふと、浮かんだ。


──と言うか思い出した‥‥かな?



「ユフィどうしたの?珍しく考え事?」


「さすがティファよくわかったね」



「ありがとう。でもユフィ分かりやすいんだもん」


「?」


「すごく静かになるから」


「どういう意味だよソレー。」


「可愛いなって」


「マジ!?でもアタシってば普段から可愛いんだけどね」

「あははは。そうだね」





───ガチャ


「あー良いお湯だった。」


「あ、エアリスお帰り」

「ただいま、ティファ。ユフィお風呂、お待たせ。」



うーん




うん。よし!やっぱり思い立ったら即行動だよな!



お風呂のことなんかよりさっき思い出した話をエアリスに確かめよう!






「‥‥なー、エアリス」





「なーに?ユフィ」







「エアリスの理想の奴ってどんな奴?」



「どうしたの?急に」



「んー?まぁ‥ほらアレだよ!なんとなくだよなんとなく!どんな奴が良いのかな〜ってさ」




「うーん。理想かぁ‥そうだなぁ」




もし、アタシの予想通りなら‥









「瞳はキレイな青で、温かくって、優しくて、強くて、カッコ良くて、でも少し子供っぽいところもあって、おもしろくって、大きな剣を持ってて、少し不器用で、笑顔が素敵で、いつもニコニコしてるの。それで夢と誇りを大切にする約束を守ってくれる人、かな?」






「それって──‥」


ティファが暗い顔になって何か言いかけたけど



多分、平気。だってきっとそれは──




「クラウドじゃないだろ?それ」



「え?そ、そうなの?」


って言うかクラウドは“いつもニコニコ”してないしな



「ふふっ。クラウドなのは、ティファでしょ?」



「えぇ!?ち、違うわよ!?私は別に…」



「隠さない隠さない。大丈夫、ちゃーんとお姉さんには分かるんですよー?ふふっ」


「そんなんじゃ…」


「ティファってば顔、真っ赤だよ?可愛い」


「もう!エアリスってば!知らない!」



はしゃぐ2人を横目にアタシは随分と具体的に答えてくれたエアリスの理想の奴に






──やっぱりな







と予想通りの結果に少し顔を歪ませた。





確かそいつはエアリスより何コか年上だったハズ‥‥。






なのに、今は、きっと──…。









「風呂入ってくる!」




そう言って勢いよく立ち上がり急いで風呂道具を持ち足早に風呂場まで行こうとした






























「ユフィは?」



エアリスのその一言で簡単にアタシの足は固まった。




「ユフィの理想の人は?」






だからさ、振り返りエアリスを指差しながら答えてやったんだ。


























「プラスで黒髪のツンツン頭で楽しい奴だったよ」


───バタン


言うだけ言ってさっさと部屋を出た。


ティファは「?」を浮かべてたけどエアリスは



















驚いてた。









──‥





「茶色い髪でさ、ふわふわした感じがまた可愛いんだよ!」


「何回も聞いたよ!」



「んでさ!瞳が碧でキレイなんだぜ?」



「それも聞いたって!」


「そんでよ‥いつかきっと2人で空を見上げたいんだよな〜」


「そんなことして何になるのさ」


「何ってそりゃ、きっと楽しいぜ!」


「あっそう。いーからお宝くれよなー」

「ヤダね!」


「ケチ!ケチケチケチ!!」


「べーーーっだ!」





       ‥───




名前は知らなかった。




アイツがベタ惚れの





“碧の瞳がキレイな茶色い髪の彼女”




勝ち目ないのなんてとっくに知ってたからいいんだ、そんなことは





そんなことより


もう













──「空、見てたの。独りで」


「キレイだなぁって思うよ?でも、ふふっ。やっぱり楽しくないの」───




二度と──‥

















アイツには会えないらしい…。










「エアリスの理想は“約束を守ってくれる人”だってよ!バーカ。」






睨み付けたハズの繋がることのない携帯のメモリー画面が滲んで見えた。










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最初に予定していた話しと全然違う…。(汗)何故??

2010 10 31


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