『ひとすじ』






私の書いた手紙は89通。




4年間待って、返事がきたのは0通。







5年たった今、彼の手紙が1通。







彼の故郷で知った。




それは私に宛てたものでは、なかったけど。私の心を揺さぶるには、十分だった。



彼の話、何度か出てきた“なにもない”ゴンガガ



確かに物は無いけど彼の匂い、雰囲気が伝わってくる空気は私にとって“なにもない”ではなかった。



その事実だけでも、泣きそうになっちゃうのに、






私は、彼の実家で彼の最初で最後の手紙に会った。




見覚えのある彼の字。



ただの文章なのに、はっきりと思い出される彼の温もり。

今も耳に響く彼の明るい口調。


彼は昔も今も私の心、揺さぶる。





ううん。隣に居てくれた時よりも今の方が、激しいくらいです。



知らなかった。彼が手紙を書いていたなんて。



だってね?



なんか想像つかないよ。


ザックスと手紙なんて。


きっとペンを片手に、真っ白い紙とにらめっこしながら書いたんだろうな。



前に一度、ご両親と連絡した方が良いとは言ったけど、


そっか。手紙にしたんだね?



ザックスなら携帯電話で簡単に連絡しちゃうのかと思ってたから、ちょっと意外だったかな?






驚いたのは、最後の一行。



私の中の時間が遡っていったのが分かった。






あなたは昔も今も私の心、揺さぶる。



私宛ではなかったこの手紙が、一向に返事の無い89通分の救いになったよ。













P.S
ガールフレンドができました。








ザックス。あの時のザックスの言葉を信じるならこれ私の事だよね?自惚れてもいいよね?


「今の俺はエアリス一筋だから。」


アナタは確かにそう言ってくれた。



涙を我慢することなんて忘れてた。。。


喉から出てくる声を我慢するが難しくなって、私は彼の家を飛び出た。










あそこは彼の匂いが優しすぎたから。









彼が五年前出していた一通の手紙。


出す宛ない返事はこの涙で彼に届きますように。


彼の故郷で彼の事を思い溢れ出たこの涙がザックス宛の最後の手紙。




私が書いた手紙は89通。






彼が出した手紙は1通。









私が出せた返事は1筋。






この1筋が彼に届く道になりますように。


涙にのせた思いは、89通の手紙より深くて1番、私の素直な気持ちです。







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CCFFプレイ後に数年ぶりにFFZをやったらゴンガガは泣きそうでした。

2010 03 14
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