「お待たせ〜」


「あっ。やっと来た!もうザックス遅い!」



「いや〜悪い 悪い支度に手間取っちゃってさ」



「まぁ。仕事着や汗臭い格好よりは良いけど…」


「だろ?」








やっぱりさ、デートの前は身だしなみをキチンとしないとな





仕事着で行ったり汗臭いまま行ったりしちゃったら







女の子は嫌がるだろ?










デート前のお約束だよな。




















そう思っていたのは数ヵ月前




割りと最近の話しなんだけどさ






今までこんな風に考えたことなかったんだけど




帰ってきたら直ぐに会いたいんだ。


着替えたりシャワーを浴びたり支度する時間すら勿体ない






でも、やっぱりエアリス嫌がるよな〜…。












まぁもう教会のしかも扉の前まで来ちゃってるんだけどな。






う〜ん…。






着替えて出直すか?



いやいやいや!直ぐ会いたいだろ!?俺!










──‥う〜ん…。













「ザックス?」


「ぅわっ!?エ、エアリス!?」



「どうしたの?扉の前で」



「エアリスこそ何で外に居んの!?」



「私も今、来たの。」





結局着替えてないまま、か…





ちょっと距離を置こうかな…匂わない程度にさ





「ザックス?」


「うん!?ど、どうした!?」






「中、入ろ?」



「お、おう!」









中に入るなりエアリスは日課の花の手入れをしだした。いつもは俺のヤキモチを妬く相手で俺の永遠のライバル達だけど…
















今日は感謝。





お陰でエアリスとの距離を自然ととれる











クンクン…








クンクンクン……。








やっぱ汗臭いな俺…











「クスクス。なんか本当に子犬、みたいだね?」



言われて初めて今俺がしてた行動を思い出してみれば‥‥





──確かに…。




「どうしたの?今日のザックス。なんか変」









「エアリス」


「なーに?」




「俺、臭くないか?」




「臭い?」



「ほら、汗とかさ、仕事終わらせて直ぐに来ちゃったから仕事着だし、それに汚い。およそデートする格好じゃないだろ?」



「ふふっ。」




「な、何で笑うんだよ!?俺は真剣に言ってるんだぜ!」






「ザックスちょっと来て?」


「?」




言われるままに近づいたけど、














近過ぎじゃないか!?







この距離じゃキスでも出来ちゃいそうな…。











「?ザックス、赤くなってるよ?」



「!?」






──‥なんて正直な俺。




「で?なにこの距離」


「ここ見て?」





エアリスが指差した先それは…







──‥額‥?




「‥‥あ。」




「ね?」







エアリスの額にはうっすらと汗が滲んでいた。






「一緒だね?」



そうか。さっきまでエアリス花の手入れしてたから





「私、ザックスの汗。好きだよ?匂いも」




「それは、珍しいな」




「そう?」


「うん」





俺が知る限りではそんなこと言ってくれる女の子なんて居ない




「だってね?それはザックスが一生懸命、頑張った証でしょ?」





「仕事着だってね?ザックスの夢と誇り。だから」













「ぜーんぶに言ってあげたいの」


















「おかえりなさい。って」








気がつけば俺はエアリスを抱きしめてた。







もう距離を置く必要なんてない。





いや











最初っからそんなもの必要なかったんだ。






だって俺の惚れた彼女は








どんなに汚い格好でもボロボロの服でも温かく迎えてくれる




俺の全てを待っててくれる





笑顔で、俺を迎えてくれるから。










「おかえりなさい。ザックス」



「ただいま。エアリス」






『俺のために君がいてくれる』






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私の描くザックスはエアリスのことが好きすぎてどうしようもないみたいです(笑)“その少女は世界を変える。”みたいな?

2010 09 25

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