私は物心をついたときには既に神羅の監視の下に居た。
───‥‥
「こんな運命を背負うだなんて哀れな娘だな」
「逃げれる訳ない。これは運命なんだから」
「…じゃあ自分の運命でも呪ってなさい。」
ヤメテ!!
私を勝手に哀れんだり、しないで!
勝手に私の未来。決めないで!
勝手なことばかり言わないで!!
幼かった私に“運命”なんて言葉の意味、分からなかった。けど嫌いになる理由なんて充分過ぎるぐらいあった。
大嫌いな神羅で過ごさなくてはいけなかった
そして、みんな口を揃えて言うの
「運命なんだ」って。
いいわ。呪ってみるわよ?運命ってもの。
でも
呪ったからって運命、変わるのかな?
上手く、付き合えないのかなぁ?
あれから数年後、神羅ビルからは出られたけど、やっぱり私はまだ、あの運命の中。
変えたくても変えられない運命の現実に、もう、うんざり!
テレビやマンガみたいにスーパーヒーロー。いないかなぁ…
なーんてね、考えちゃうの。
***
驚いた。
だってね?
いきなり、人が降ってきたんだもの。
しかも、神羅のソルジャー。
「エッアリスー!!」
毎回扉が壊れちゃうんじゃないかな?って思うぐらい、勢いよく開けて入ってくる、ソルジャー。
「いらっしゃい。ザックス!」
「なぁなぁエアリス!ちょっと来てよ!」
ザックスに連れられて近くの公園まで行くと
「わぁ。」
「な!珍しいだろ?」
そこには私がまだ、見たことない花が咲いていた。
「俺あんまり花とか詳しくないけど何か珍しい色だったからさ、エアリスに教えてあげようと思って」
「ありがとうザックス。」
「いーや。まだまだ!」
「?」
「エアリスには世界中の花という花を見せてやるよ!」
「……どうやって?」
「一緒に世界を見に行く。っていうのはどう?」
「ふふっ、ありがとうザックス。楽しみにしてるね?」
「任せろ!」
「うーん。でも、良いの?」
「何が?」
「私と約束、いっぱいしたらザックスの英雄になるって夢。大丈夫?」
「だいじょーぶ だいじょーぶ!」
「エアリスは俺の運命の相手だからな!俺、エアリスの為ならなんだって出来ちゃうんだぜ?だから安心しろって!」
「運命──‥?」
「そうさ!あの日の俺たちは間違いなく運命の出会いだろ?」
「うん。そうだね」
ちゃんと、あったんだね?
こんなに優しくて、あたたかい運命。
ザックスとならね?運命を呪わないで上手く、付き合えるって思ったの。
ザックスは私の世界を広げてくれる。
ザックスは私の世界で笑ってくれる。
そんな大っ嫌いな神羅のソルジャーなんだよ?
そんな人が私の運命を変えただなんて
すごい運命でしょ?
手も 瞳も 声も 温もりも 笑顔も 言葉も 気持ちも 時間も 意志も 魂も
私にはザックスのすべてが必要だった。
あなたじゃなきゃ、ダメだった。
出会えたこと
2度と会えなくなってしまっても、忘れないよ?
ザックスとの間にあった優しくて温かい運命を
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そしてザックスに一番伝えたいことは“ありがとう”
2010 09 22