──感化。





いや










そんな甘いものじゃない











ヤバい!待ち合わせに遅れる!!エアリスはもう来てるかもなー…急げ、俺。






猛ダッシュで公園まで行くと案の定エアリスは既に居て、なにやら滑り台をまじまじと見ていた。







「エアリスー!ごめん待たせた!?」


「ううん。大丈夫!それにまだ、時間5分前だよ?」

「いやいや!男は先に待っていて彼女が駆け足で来るのを待ってるぐらいじゃないとな!」


「クスクスクス。なに?それ」



「俺の願望、かな?」









「なぁエアリス?さっき何を見てたんだ?」



「あのね?」




エアリスがくるりと滑り台に向きを変え指差した。



「この滑り台のキズ、ザックスの傷に似てるの。」




本当に小さな小さな傷だったけど確かにくっきりとしたバッテン傷があった。


「本当だ。よく気がついたな〜」


「良い洞察力だな」なんて褒めたらさ



「ソルジャーになれるかな?」




「はははっ!なりたいの〜?」

「うーん、あんまり」


「あはははは」






──侵略とかさ









「あっ!」

何かを思い出したらしくエアリスは身体の前でパンッと両手を合わせてみせた。







「家の周りにね?ザックスみたいなお花。咲いたんだ」


「俺みたいな花?」



「うん。あったかいお花」


「へー」


「こーんなに大きいお花なの」


身ぶり手振り俺に一生懸命に話すエアリスに「例えばどのぐらい?」と聞けば








「うーん。蕾がねザックスの握り拳ぐらい。」



「へー!結構大きいのな」


「でね?色はザックスの剣の鞘に似た色なんだ」


「見てみたいなー。」


「見に来る?」


「良いの!?」


「うん。お花、咲いたらね?」


「よし!じゃあ約束な!忘れるなよ!?」


「うん。約束」

どちらからともなく小指を出し指切りをする。




しかし、ふいにエアリスが何かを見つけたらしく結ばれた小指はあっさりと、ほどかれてしまった。



「ザックス、見て」


(うーん、残念──‥。)







「どうした?」と言いながらエアリスの隣にしゃがむと、そこには珍しい色の石が一つ転がっていた。






──そうだな。侵食だったりさ







「ほら」











「ザックスの瞳みたいな綺麗な、石。」

エアリスは俺の眼の横まで石を拾い上げ



俺の空色の瞳の横によく似た色の石を並べ






満足そうに笑う。












気づいてる?









最近のエアリスはさ、世界を“ザックス・フェア”という人間で計るんだ。





“ザックス”より大きい
のか小さいか




“ザックス”の色に近いのか遠いか




“ザックス”と同じなのか違うのか










気づいてたか?





アンタの頭は俺でいっぱいなんだぜ。













気づいたか?





俺はそれが楽しくてしょうがないんだ。








「なぁエアリス。手、繋がないか?」




差し出されたに手に少し戸惑った様子だったけど、エアリスは照れながらも俺の手を取る







そして





エアリスの手より少し大きな手で俺の手より少し小さな手を引き寄せる。





「きゃっ」


彼女を俺の腕の中にすっぽりとおさめれば


──どくん どくん。





「ザ、ザックス。これは手を繋ぐ。じゃなくて‥だ、抱きしめる。って言うんだよ?」




「そうかもな」




アンタを抱きしめて


エアリスに俺の鼓動をきかせて


耳元で話しかけたら






ほら











「エアリス顔真っ赤だぜ?」





俺が世界のすべてになる。



「だ、だって‥」





「その石は持って帰んの?」


「え?あ、うん。家に取っておくの」




「そっか」




──そう、例えばそれは支配。

















そのまま














俺のことしか考えられなくなれば良いのにな













『世界を染めろ。』





それはまるで世界征服を企む大魔王。








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個人的にはエアリスに関しては独占欲の塊みたいなザッくんが素敵です(*´∇`*)しかも水面下で静かにみたいならば鼻血ものマジ、ヤバイッス!\(>▽<)/

2010 09 13


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