お散歩 お散歩





今日は久しぶりにエアリスとのデート。






2人でお散歩。






まぁいつも通りスラム街をフラフラするから



ポカポカ陽気の下を気持ち良くお散歩っていうわけにはいかないが






エアリスと居れば俺の気持ちはポカポカと気分良い。

などと口にするにはこっ恥ずかしい事を考えてしまうぐらいに俺は浮かれてる。




しかも!俺にしては珍しく…いや、今どきでも珍しいぐらいに健全なお付き合いなわけよ。


まさに純愛。






どれぐらいかって?




ほら見てみろよ








恥ずかしくて手も繋げないぐらいだ!





言い換えれば



一緒に居られるだけで満足!そんな感じ。







今まではそんなことなかった






変な話付き合ってる女の子のこと考えたことなかったかも……。




手を繋ぎたいから繋ぐ。
触れてみたいから触れる。
キスしたいからする。




でも今はさ、



手を繋ぐタイミングであってるか?
触れても嫌われないか?
キスを求めて拒否されないか?

なんて考えが先で上手く行動に移せない。






誰か唄ってたな…



包むはずが切り刻んで
撫でるつもりが引っ掻いて
キスしながら唾を吐いて




そんな感じ。そんなくだらないこと考えてるけど



でも





俺の気持ちなんかよりエアリスが大切。





だからなんの問題もなーし!










って言いたいけど、手ぐらいはやっぱ繋ぎたいよな〜……。









「どうしたの?ザックス。」


「ん!?あぁいや、ちょっと考え事!」

「何、考えてたの?」



「エアリスのこと。」



「私のこと?」



「そう!エアリスは俺と居て楽しいかな〜って考えてた。」









「うーん。どうかな?」




「えぇ!?」




「ふふっ。ジョーダンだよ?」


「おいおいエアリス勘弁してくれよ〜」








「あのね?ザックスといて私、楽しいよ?」










もしかしたら今、自然と手を繋げる絶好のチャンスなんじゃないか!?



なんかこう気のきいた言葉でも言ってさ!






スッと左手を伸ばして…



‥‥よしっ!




「エ、エアリス‥『RRRRRRR…』



「‥‥‥。」



──こんにゃろ〜……





「ザックス。‥携帯、鳴ってるよ?」







俺は携帯を真っ二つにしたい気持ちをぐっと堪えながら電話先の相手に投げやりな返事をした。


「……もしもし」






「…うん……うん…あー……。はぁ……りょーかい」



俺は電話をポッケにしまい左手で後ろ髪をガシガシと力なくいじった。




別にそんなことの為に手に汗かきながら勇気をだして腕を伸ばしたわけでも携帯を取り出したかったわけでもないんだっつーの。






はぁ…






「ごめんエアリス。」


「お仕事?」





「……うん」



「そっか。気を付けてね?」

「この埋め合わせは必ずするから!」



「いーよ いーよ気にしないで?」



「いーやダメだ!俺はもっとデートしたかったもん!!」


「クスクス。ザックス子供みたい」

「そう子供なの。だから甘えさせてよ」



「うん。わかった。私、待ってるね?」



「おう!じゃあいってきます!」


「いってらっしゃい」


























***





あれから数ヶ月


俺はあの後、埋め合わせは出来たものの結局手は繋げないまま









今なぜか















神羅屋敷に居る。










俺は、どうしたらいい?





何が何だか、ぜんっぜん わっかんねぇ…。



分かってることは、どうやら俺とクラウドは実験サンプルらしい…。





クラウドは意識がハッキリしないし

神羅には追われる身だし


セフィロスは…








捕まりたくはねぇ。




でも、俺はどうしたらいいんだ!?






ガサッ



俺は無意識に手をポケットに入れた



中には俺にしては綺麗にきちんと折り畳まれた紙が一枚。











──もっと一緒にいたいです。──














そうだ‥‥。






「クラウド 俺 ミッドガルに行かなくちゃ」











──ううん。しなくていいから


──わかった 会いに行く






──うん。待ってる









約束したんだ。



会いに行くって。






何が何だかぜんっぜんわかんねぇけど





俺はエアリスに会いに行きたい!





今の俺に分かるのはハッキリとしたその思いだけだ!




なら、やることは1つ。







何がなんでもアンタに会いに行くよ。





そして、







気のきいた言葉も


バッチリなタイミングも




全部、ぜーんぶ無視してさ











今度は
迷わないで手と手を繋ごう。







まだ、あの手に触れたことはないけれど、




きっとあの手はポカポカと温かい。









そこが俺の帰る場所。






「クラウド お前も行くよな?」










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ラブラブな2人を描きたいのになぜか毎度切ない系へと着地して結局は何が言いたいんだか。みたいな作品しか描けないのは何故でしょう?根暗だからか(汗)
ちなみなザッくんの言ってる唄はMr.Childrenさんです。

2010 08 29



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