×
「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

- ただいまやさしい男キャンペーン中にて -

凵w愛の差だよね』の続き

「倉持! ん!」
「あ?」
「ん!」
「は?」
「ん!」
「いや、ほんと何だよ」
「ん!」
「"ん"って言われてもわかんねえから。かろうじて何か求めてんのだけはわかる」
「今日は何日でしょーか」
「三月十よ……あ、そういうことか」
「お返しちょーだいな、倉持」
「……お前な、チョコボール一粒でお返しくれると思ってんのか?」
「三倍返し。それ常識」
「世の中そんなに甘くねえよ! ざけんな!」
「チョコボール一粒の三倍だから極細ポッキー三本ほしい!」
「それでもやらねえ」
「えー! 倉持のケチ! ケチん坊! そんなんだから彼女できないんだー!」
「お前にだけは言われたくねーよ! 変態が!」
「そーです、私は御幸君のためなら変態にだってなるもんね」
「そこはキメ顔でいうところじゃねーから。むしろもっと隠せ。そして鼻息を止めろ」
「へへっ」
「褒めてねえぞ。御幸もさっきから黙って見てねぇで何か言え」
「あー、そうだな。苗字、これ」
「え、御幸君…これは?」
「昨日ルーズリーフきれたって言ってたじゃん。一応バレンタインのお返し。どうせ貰うなら実用的なものがいいだろ。あとさ、食えなかったけど貰ったってカウントしたから」
「貰っていいの?」
「お返しだしな」
「み、みみみみ御幸くんから貰ったっルーズリーフとか使えないんだけど!」
「……苗字、ほんとにこんなお返しでいいのかよ……もっとなんかあるだろ」
「いやでもほんとーにルーズリーフ助かる! ずっと保存して眺めるだけで終わるかもだけど! ありがと、御幸君!」
「どういたしまして」
「そういうところほんと健気だよな、お前」
「健気でかわいくて可憐だなんて、そんな褒めても何もでないよ、何もくれなかった倉持くん」
「枕詞みたいにつけんな。御幸もいつの間に買ったんだ?」
「昨日の昼休み購買で買った」
「お前らしいっちゃお前らしいけど、来年は違うの渡してやれよ」
「……倉持、なんか世間一般にいう母ちゃんみてえ」
「あ?」
「それすごくわかる。おかんって感じ」
「…お前ら」
「「お母さん!」」
「やめろ!」

title:FUKATSUME