「二宮さん……」
「なんだ」
「いや、なんだじゃなくて……」
なにか問題でも?と言うようにキョトンとされても、いえ問題ありません、なんて納得できるわけがない。むしろ問題しかない。
「あの、この手は……」
「綺麗だ、名前」
人の話全く聞いてねえー!
二宮の大きな手が名前の太ももの触り心地を確かめるように上下に滑る。もちもちとした弾力を楽しむように、時折指で跡をつけながら内股や腿裏を蹂躙する。
ショートパンツから出た2本の脚は、今では完全に滑らかな素肌を楽しむ二宮の手中にある。
彼の表情は先程から全く変わらないが、名前の太ももがお気に召したのだろう。
擽ったいし恥ずかしいが、二宮がこんなに触れてくること自体が珍しいし、触れてくれることが少し、いやかなり嬉しい。
彼の好きなようにさせておこうと思っていたら、なんの前触れもなく膝裏を持ち上げられ、ごろりと仰向けに転げた。
「うおわ!」
品性も可愛らしさも何もない悲鳴を上げ目を丸くする。二宮のクールで端正なそのお顔が、するりと腿裏に擦り寄せられ、太もも越しにばちりと目があった。
「ちょ、ちょちょ!」
仰向けに寝転んだ状態で右腿の裏に顔を寄せられる。さすがにこの体制は恥ずかしさしかない。
しかし二宮は顔を赤くする名前にはお構いなしで、膝裏を持ったまま弾力のある腿の肉を食む。
「ひぇ……!」
新鮮な肉を味わうように、じゅっと音を立て吸い付いた。
なんですかこれ。規制寸前ですよ。
名前は思わず手で顔を覆う。耐えられるわけがなかった。覆った手の隙間から二宮を見上げる。
「美味い」
二宮は目を細めちろりと唇を舐める。
そこにあったのは、滅多に見ない彼の笑顔だった。
太腿 支配