悪名と停滞続行




最近、土方さんがイライラして帰ってくることが多くなった。

最近っていうか、結構前から。理由を聞こうにも、イライラしている土方さんに直接聞く勇気は私にはない。

ニコチン切れ、ってわけでもなさそうだし、屯所の中では不愉快になるようなことはされてないと思うんだけど。

「副長が不機嫌?」


「そう、山崎くんなら分かるかなって」

結局自分では解決することはできないと判断して、大人しく山崎くんに頼ることにした。
私は滅多に屯所の外には出ないし、出たとしても真選組の仕事にはまっまくノータッチだから普段なにしてるかわからなし。

さっき作った張り込み用のお弁当をちらつかせながら山崎くんに聞くと、少し考える間をおいたあと、すんなりと答えてくれた。


「万事屋の旦那のせいじゃないですかね」


「…万事屋の旦那?」


おっと、突然の新キャラ。
きっとその万事屋の旦那って人と土方さんはあまり仲が良くないんだろう。
その人のせいで土方さんはイライラしていて不機嫌。マヨネーズとタバコの消費量も増える…。


「どんな人なの?その万事屋の旦那って人」


「変なところが副長に似てる人ですよ。なかなか掴めないお人で」


「煽られちゃってるんだ、土方さん」


「煽って煽られての繰り返しって感じですかね」


「ふーん」


「銀髪で目は死んでるってのに、本当に強いらしいですよ。木刀で土方さんに勝っちゃうくらいには」


「…銀髪?」


銀髪で、目は死んでる。強い。土方さんに変なところが似てる…。


「ね、ねぇ、それってもしかしてさ、坂…「玲ちゃん、松平のとっつぁんが来るからお茶をお願いしたいんだけど」

なんというタイミングで現れたの近藤さん…!!


「分かりました。…じゃあね、山崎くん」


もし、もしもそこ万事屋の旦那が銀時だったら、

「…どーもしないでしょ、どうせ」


私はもう、追いかけたりなんかしないよ。



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