認めてくれる人が、ほしかった。
「……オビト」
お前を助けてやれなかったオレのことなんて、認めてくれる奴はいないだろうな。
目が、あつい。
涙なんて流していいような奴じゃないのに、オレは。
「……はたけくん?」
気配とか、感じられないくらい追い詰められてたらしい。
なまえにこんな所見られたくなくて背中を向けようとしたけど、心配そうな目で見られてしまって体が動かなかった。
「何か、あった?」
「……別に」
「そっ、か。ごめん、話しかけて」
もう行くね、と去ってしまいそうななまえの腕を不意に掴んでしまった。
「あの、……」
「ん?」
「ありがとう」
オレにとっては、勇気出した言葉なんだけど、なまえにとってはそうではないみたいで。
「どういたしまして」
そう言って微笑んで去っていくなまえをぼーっと見送ることしかできなかった。
なまえにとっては何気ない事かもしれないけど、オレにとってはそんなことじゃない。
救われたんだ