いつも、目を覚ますのはオレの方が先。隣で寝ているなまえの寝顔を見て満たされた気持ちになりながら、いつまで一緒にいる事ができるのだろうかと考えてしまう。
汚いことをしているという自覚はあった。自分の所にだけ帰ってくればいいと。
どれだけ体を重ねても薄い皮膚は一つになることを許してはくれないのだ。
なまえの首筋にそっと手を伸ばしてみる。少し肩の方に降りれば、昨日つけた赤い痕が散らばっている。
任務でどれだけ人を殺しても、なまえの暖かさに触れれば人でいられる気がした。
「…なまえ」
お前がどれだけオレの中で大きい存在なのか、お前は知らないでしょ。
帰る場所になって。リンやオビトを守れなかった最低なオレを愛して欲しいよ。
「んー…カカシくん」
まだ眠そうで、少しかすれた声。すぐに首に触れていた手を離した。
「ごめん、起こしたな」
「だい、じょぶ」
「無理しなーいの」
ベッドから起き上がって、任務に行く準備をする。眠そうな顔と寝癖で跳ねた髪が可愛くて手を伸ばしそうになったが、任務なので我慢。
「もういくの?」
そんなかすれた声で言わないでよ、色っぽい
「そろそろね。終わったらまた来るよ」
「そっか…いってらっしゃい。まってるから」
欲しい言葉をくれて、欲しい笑顔をくれる。
家を出ても、頭の中はなまえの事ばかりだ。