所謂恋人という間柄になっても、たまに満たされないと感じてしまう。
ガイのことを想ってることと承知の上で付き合い始めた筈なのに、独占欲ってやつはしつこくオレを突き動かしてしまうのだ。

それと同時に、不安になる。

「火影様、お願いしたい事が」

少しでも、傍にいて欲しい。それに、生きて欲しいと思った。任務で人を殺して来た夜は特に。
なまえの力を信じていないわけではないけれど、少しでも安全な所にいて、オレの帰りを待っていて欲しい。

「カカシよ、それはお前のエゴというやつではないのか」

「そうかもしれません」

「分かっているのなら、何故そのようなことを頼む」

「失いたくないからです、火影様」

もう、これ以上大切な人が死ぬのは嫌だった。なまえは面倒見がいいから、アカデミーで教師をやるがいいかもしれない。
とにかく、前線には出なくてもいいように

その手を血で染めなくてもいいように


「なまえには、わしからは何も言わんぞ」

「……はい、ありがとうございます」


守りたいという気持ちと同じくらい、独占欲があったことは認めざるを得ない。
もしこれをなまえが知ったら、オレの事を嫌いになるだろうか。

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