「ガイは、親友だから、好きだけど」
「……そう」
口ではそう言ったって、オレには分かってしまう。
好きなんでしょ、ガイのこと。わかるよ、見てたからね。でも、その想いが届かないことをオレは知っている。
なまえの気持ちにも気付けないでオレの背中押すようなバカだからね、あいつは。
キッチンに立つなまえは髪を結んでいて、普段見えない白いうなじが見えて目に毒だ。
「カレー、好きなの?」
「べつに」
「じゃあ、なんで作らせたの」
もうそろそろ、気付いて欲しい。
「ガイが、羨ましかったから」
「そっか」
「……それだけ?」
「え、ご、ごめん」
……まあ、簡単に気付いてくれるような子じゃないことくらい、わかってたはずなんだけど、結構傷付くものだ。
やっぱり直球で勝負しないと、相手にしてくれないらしい。
「ねえ」
「は、はい!」
「好き」
細い体を引き寄せるのは簡単で、腕の中に思ったより勢い良く飛び込んできた。痛くないようにとできるだけ優しく、怖がらせないように抱き締める。
「ずっと、好き」
だから、オレの事も見てよ。暗部に入って忙しくなってもオレの事忘れないで。
オレの事も、ガイと同じように大事にして。できれば、ガイより大事にして欲しいけど。
ピンク色に染まる白いうなじが目に入って、少し優越感。